内容説明
「恋愛」5年前別れてから音沙汰なし。「仕事」起業失敗からは職を転々…。さえない日々を送る船山のぞみ32歳。ひょんなことからめぐり始めた七福神は果たして彼女にご利益をもたらしてくれるのか!?東京に御座す、さまざまな七福神をめぐりながら、恋と人生を思索する新感覚“プチロード小説”誕生。
著者等紹介
中島たい子[ナカジマタイコ]
1969年、東京生まれ。多摩美術大学卒業。放送作家、脚本家を経て2004年『漢方小説』で第28回すばる文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あつひめ
66
ぐるぐるさ迷い歩く様子が、七福神にコッチコッチと手招きされているように感じられ楽しめた1冊。自分の中でその時に不足しているものを差し出されるような感じがして・・・。読みながら、生きるって大変なのよね~と女子会気分になれるのも毒舌・・・というか本音っぽいものが表現されているからなのだろうか?時々、思い出したように読みたくなる1冊かもしれない。近所に七福神のお住まい(?)があればいいのになぁ~。ぐるぐるしに行っちゃうのに・・・。2012/06/13
yanae
65
やっぱり中島さんの書くちょっと不安定で不器用な女性主人公がとても好き♡今作も安定の不安定っぷり(笑)自分が相手の人生にか変わることで、相手の人生を狂わせてしまうのでは…と他者との関わりを避けるようになったのぞみ。別れた彼が自分のせいで行方不明になったと思い込む。ひょんなことから七福神巡りを始め、少しずつ自分の気持ちを整理していく。終わり方は予想と違ったけど、のぞみが前を向けたようでよかったと思う。七福神のことも勉強になった!お正月にしか見られないとこ多いのね…!2019/07/17
ぶんこ
62
入院した祖母の家を片付け中に見つけた、御朱印帳の欠けた寿老人の御朱印を求めて始めた七福神巡り。東京にもたくさんあるのですね。日本橋は土地勘があるので、この順番に廻るのはチト可笑しいと気付き、他を巡る時に巡り順を調べ直した方がよさそうと考えたり、すっかり巡るつもりになってます。元カレのぽよ〜んとした感じはいいですね。近くに居たら和みそう。七福神巡りをするうちに大地の良さに気づいたのぞみさん。正社員のくちを断 ってインドに行ってしまうのかな?2016/08/19
千穂
50
元彼大地の訃報、祖母の入院中に見つけた御朱印帳。七福神のはずが寿老人が足りない。なぜ?七福神めぐりをして最後の御朱印をもらいに行こうとするが、いろんな思いが交差する。主人公の元彼への思いも。2017/07/21
どぶねずみ
49
色んな場所の七福神が紹介されている。物語は谷中七福神から始まり、浅草や日本橋七福神もある。実は私も7年ほど前にバスツアーで七福神めぐりをし、まさにここで紹介されている日本橋七福神を回ってみたが、元日に七カ所全部お詣りできるわけもなく、大変後悔した経験がある。この物語のように入院してしまった祖母を思い、行方不明になった元恋人を思い、誰かを思って願いを込めてお詣りしたい。そこの建物や敷地もじっくり観察して、風情も堪能したい。私は御朱印までは必要ないけど、行くなら七福神のガイドブックで予習して行こう!2021/05/05