内容説明
本書では、城塞の詳細な構造を図説しながら、どのように戦いに用いられたのか、また、どのようにして生まれ、なぜ放棄されていったのかを、歴史的な戦いとともにわかりやすく解説。さらに、地域ごとに分けた多数の城塞を見取り図と写真を使って、詳しく説明している。
目次
第1章 中世築城の諸要素(グラード、モット・アンド・ベイリー、ベルクフリート、および、キープ;城塔 ほか)
第2章 中世前期の築城(暗黒時代の築城;イスラム帝国、ビザンツ帝国およびフランク帝国の築城 ほか)
第3章 城塞の時代(中世盛期初頭の築城;西ヨーロッパに登場した城塞群 ほか)
第4章 高くそびえる城壁の退場(百年戦争における大砲の運用;コンスタンティヌポリスの陥落 ほか)
第5章 中世の城塞と築城(グレート・ブリテン;アイルランド ほか)
著者等紹介
中島智章[ナカシマトモアキ]
1970年、福岡市生まれ。東京大学大学院工学系研究科建築学専攻博士課程修了。博士(工学)。日本学術振興会特別研究員(PD)などを経て、2012年3月現在、工学院大学建築学部建築デザイン学科准教授、早稲田大学大学院文学学術院非常勤講師。2005年、日本建築学会奨励賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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佐島楓
16
豊富な図版で城の構造を知り、文章で当時の歴史や文化を学ぶ。こういうお城を舞台にしたファンタジー、書いてみたいなぁ。2012/12/24
なつきネコ
10
西洋の城塞をくわしく紹介した一冊。西暦千年の時点であれだけの城を作るのか、でもよく考えればローマの建築とか、ストンヘンジを作っているのだからな。西洋の多くの城も紹介されてて、地域によっての城の発展を見れて良かった。しかし、イスラムと長い間、戦ってきたんだな。たがいに、文化伝達してください。きたんだな。私的に、アーサー王のキャドバリー城塞はいってみたいな。好きなのはスイスのシモン城塞とか、ドイツのコヒェム城塞、ヴィアンデン城塞はいいな。城の搭が好きなのかも。2016/04/30
えびちり
5
これ! これが欲しかったんですよ、決してきらびやかでない実用的な城塞のあれこれ。こういう箇所を何という名称なのか、どういう階層の造りになっているのか、その周辺環境。歴史背景。攻城戦。美術系資料のようでありながら、テキスト多めで読ませてくれる。人は選ぶかもしれませんが、こういう資料を探していた自分にとっては大きな詰まり物がポロっと取れたような爽快感です。2022/02/17
ソノダケン
4
本書を読み込めば、お城博士になれるのは間違いない。図解は見やすく、写真はうつくしく、文章はこなれており、年表や用語解説や索引もあり完璧。水をたたえた堀はロマンチックどころか、排泄物がたまり最悪の衛生状態だったとか、身も蓋もない話もおもしろい。ヨーロッパ人の築城や攻城兵器における周到さや創意工夫に感心するが、モンゴル軍はそれを赤子の手をひねる様に破壊した。そして火砲が「城壁の時代」に終止符をうつ。砲撃で倒壊したのではなく、火砲を城内に収容するためだった。2015/01/18
ゴジラ 芹沢
2
ギース夫妻の本は図や写真が少なかったのでこちらを先に読む 城の構造物の説明だけでなく、様々な城の構造図が大量に載ってて満足2017/08/05