内容説明
愛、十五歳。父を知らず、母を亡くし、ひっそりと養護施設で育った。愛が心の奥深くで育てていたのは、炎のような、氷のような…。「ネグレクト」=児童虐待の一つで「育児放棄」。なぜ、そうなってしまったのか。なぜ、そのようにしてしまったのか。虐待が虐待を生む負の連鎖性をテーマにした衝撃の問題作。
著者等紹介
海野真凛[ウミノマリン]
1956年、三重県安芸郡生まれ。岐阜市在住。有機農業に関心を持ち、2001年4月より1年間、岐阜大学農学部農業別科にて、土壌と化学肥料、有機肥料の関係について研究。富有柿と米の生産・販売を行う。岐阜大学応用生物科学部フィールド科学教育研究センターに勤務。現在放送大学在学中
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感想・レビュー
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ゆみねこ
60
15歳で児童養護施設を出て一人暮らしを始めた高校生の愛。誰にも心を開かなかった彼女の内面が切ない。罪を犯してしまったのは、彼らの親があまりにも無責任だったから…。海野さん、初読み。2016/07/26
saa
4
親から愛されず育った子どもの物語。ネグレクトという題名だけれど、主人公の愛は身体的虐待、心理的虐待、性的虐待のどれもを受けていたように思う。心のキャパを超えるつらいことは、自分から切り離し解離させてしまう。でもそれはいつか、悲しいきっかけで爆発してしまうのだ。2015/01/25
なみお★三行感想★
2
【星3.5★★★】ここ何年かで話題になってきたネグレクト。私は産んだ事も子育てした事もない人間ですが、主人公の「ちゃんと育てれないなら産まなきゃいいのに」という言葉は事件が起こる度に思います。2012/08/07
ひとみ
1
親に愛されずに育った子供の話。辛く悲しくなった。 物語ではなく現実にもありうる話だけに考えさせられる本だった。2017/01/15
ひきこ
1
これで亮くんや愛ちゃんが罪にとわれるならすごいやるせない。母親まじクズだなとか思うけど、愛ちゃんの母親が愛ちゃんを憎む気持ちもわかるところがあるからつらい。どうするのがベストだったのか考えさせる話。一番のクズは愛ちゃんの父親と亮くんの両親。2013/05/28