- ホーム
- > 和書
- > コミック
- > 少年(小中学生)
- > 少年(小中学生)その他
内容説明
フーケの要塞島にアラミスとこもったポルトスは凄絶な最期を遂げた。アトスは、ラウルの跡を追うように永遠の眠りにつく…全11巻完結。
著者等紹介
鈴木力衛[スズキリキエ]
1911‐73年。1936年東大仏文科卒。1937‐39年日仏交換学生としてパリ大学に学ぶ。帰朝後、アテネ・フランセ講師をへて、1950年学習院大学教授。この間、東大、慶大、早大、明大等の講師を歴任。モリエールを中心とするフランス文学・演劇についての著・訳書多数。1958年岸田演劇賞受賞。第6回(1969年度)日本翻訳文化賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
noémi
6
最終巻。アラミスどう乗り切るか!いきなり腰砕け。用意周到にことを運んできた権謀術策の大家だったはず。なのに、こんな失策を犯すとは。ラウルの失恋の痛手も、その絶望の果てに死地に赴くことも、それを知りながら止めようともしないラ・フェール伯爵も、なんか不自然。終わり方がよくないなぁ。でも、全体に漂う、「神々の黄昏」っぽく、金色に輝く太陽がじりじりと傾いていく様子はさすがに大文豪ならではの描写。ただし、一介の武人から位人身を極めた元帥に上り詰め、元帥杖を手に握りしめながら、こと切れるダルタニャンは立派だった!2012/04/20
きりぱい
6
『ブラジュロンヌ子爵』最終巻。何が哀れって、鉄仮面顛末が映画『仮面の男』とは違った!元々設定からして色々違うのだけど、渾身のフーケがその良心を後悔するなど、こちらの悲劇さはもう・・。反逆者となった仲間を救う手立ては封じられ、ポルトスに愕然としてティッシュが手放せず、ムークストン、ラウル、アトス・・ああ、原作はかくも容赦なかったのかと。全11巻、最初の2巻『三銃士』だけが有名だけれど、ここまで読んでこそだなと、銃士たちをとりまくドラマと共に流れた歴史は、全く長さを感じさせなかった。終わってしまってさびしい!2011/10/27
ぷるぷる
6
「アトスとラウルの別れ」「ポルトスの最期」「ダルタニャンとルイ14世の対決」「アラミスとの再会」印象的なシーン満載。特にアトスとラウルの別れは親子の絆を描いた名シーン。有名な鉄仮面のストーリーもこの大河小説の終章の中では印象は希薄。騎士道精神はちと理解に苦しむ部分もあるが、名誉と誇りを重んじた高潔さは確かに伝わってくる。主人公4人の半生記は大団円ではなく、ほろ苦き終わり方だが、それが人生であると言うデュマの主張に他ならない気がした。人生良いことばかりではないが受け入れることも大切なのだとしみじみと感じた。2011/03/07
ミカヅキカゲリ
4
面白かった! 有名な三銃士は二巻までだけど、その後の方がずっと長いし、充実していて面白い。その後を読まなかったら、ダルタニヤン物語に触れたことにはならなかっただろう。ラウルとアトスの別れが切ない。2012/01/27
qbmnk
2
ダルタニャン物語第3部ブラジュロンヌ子爵の完結篇。面白かった。老境に入っても続くダルタニャンと三銃士のあつい友情が、彼らの野望や境遇や運命の中でも変わらず輝き続ける。歴史大河小説なので全員がハッピーエンドにはならないが、読み終わってもしばらくは余韻に浸りたい本だった。デュマと同時代のフランス人読者は司馬遼太郎の連載を読んでた日本人みたいな気分だったのかもしれない。空想と歴史の織り模様が作り出す世界のなかで、普遍的価値観の生涯にわたる友情の素晴らしさを映し出す長編だった。長編翻訳文学好きには堪らない作品。2018/02/27