出版社内容情報
高齢者デイサービスでの、2年半にわたる読み聞かせ記録をまとめたエッセイです。絵本をきっかけに、お年よりが子ども時代を思い出し、新たな知見に驚き、物語に笑ったり語りあったり、心動かされる姿が、生き生きとつづられます。大人の読者に「どんな本を」「どう読めばよいのか」を紹介する、ブックガイドでもあります。元・保育士の著者ならではの選書・遊び方のコツも。ご年配の方々とあたたかなひと時をもちたい人に。
【目次】
内容説明
絵本は、心の深いところに響く。シニア世代が絵本を楽しむためのブックガイド。
目次
第一章 まずは親しくなることから
第二章 絵本で季節をあじわう
第三章 物語に心動かされる
第四章 声を楽しむ、言葉で遊ぶ
第五章 絵本選びのヒントは、あちこちに
第六章 絵本は「生きる」を励ます
第七章 ひとりの人と絵本をひらく―ケアハウスにて
著者等紹介
中村柾子[ナカムラマサコ]
1944年、東京生まれ。青山学院女子短期大学児童教育科卒業。10年間幼稚園に勤務後、保育士として26年にわたり保育園で仕事をする。私立豊川保育園園長を退職後、青山学院女子短期大学、立教女学院短期大学などで非常勤講師をつとめた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Kokopelli
57
本書は、長年保育士として子供たちに絵本を読み聞かせてきた中村氏が、定年退職後に今度はデイサービスの施設でお年寄りに絵本を読む話だ。お年寄りに限らず、子供が楽しいと思える絵本は、年代を問わず誰でも楽しめるものなのだろう。デイサービスの施設で、お年寄りたちの顔が明るく生き生きとしたりレクリエーションに発展して楽しんだりと、お年寄りと絵本を開くたくさんの効果が語られている。知っている絵本も知らない絵本も一度手に取ってみたいと思うと同時に、これから孫たちが我が家に来た時にはこれらの絵本を読み聞かせてやろうと思う。2025/09/07
anne@灯れ松明の火
25
新着チェックで気になっていたら、新着棚で出会えた。中村さんは、元・保育士で、退職後、高齢者への読み聞かせも始めたそうだ。絵本を読むだけでなく、感想を上手に受けて、発展されているのはさすがだ。私は敬老会でも、絵本を読ませてもらっているので、参考にさせてもらいたい。既に読んだ本もあるが、使ってみたい本も沢山あった。メモしようと思ったが、「web福音館」の連載が元になっているとあったので、そちらをチェックしよう。 https://note.com/web_fukuinkan2025/07/26
えつ
12
図書館で気になって手にした1冊。お年より、ということは大人向け…なのかな?と思ったけど、子ども向けの絵本も載っていたし、わたしが欲しかった絵本も載っていて、ものすごく参考になった。テーマごとにリスト化されてるのありがたすぎる…。絵本選びの参考にさせてもらいます!2025/07/21
きり
9
絵本は子どもだけのものじゃないと、老人施設での読み聞かせを始める著者。絵本の内容が扉となり、施設利用者たちの思い出や記憶が引き出されていく様子がとても良い。私が以前に読んで、お年寄り向けにもいいのではと感想を書いた『ハルばあちゃんの手』も取り上げられていたのが嬉しい。ハルばあちゃんの生涯は働きづめだったが、決して不幸ではなく、施設利用者が自身を重ね合わせてエールを送るような心境になったようだ。私の亡き祖母にも重なり合う部分があり、胸がいっぱいになる。絵本でつながれる、安らぎの世界だった。2025/09/07
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
8
著者の中村さんのデイサービスでの絵本の読み聞かせの体験談。長年保育者として子どもたちに関わっていらしたので、子どもにも高齢者にも参考になる話が多かったです。2025/09/15