感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
4
昭和29年当時は現代詩だったのでしょう。宮沢賢治以下10名の詩人の作品と人物論が詳細に論じられています。私の好きな三好達治や中原中也も載っていて読み得な1冊です。2013/12/10
nightU。U*)。o○O
2
伊藤信吉の詩的な言葉はテキストから見出された作者の心象であり、決して一人合点な浮ついたものはなかった。作者たちの生活背景にはいっさい触れずに詩の核心をついて当時の生活や社会を展開する。ことに宮澤賢治と金子光晴の項にそれが発揮されている。伊藤の想像力の為せる業だ。下巻は近代詩から現代詩への架橋を作った詩人たちのものが選ばれており、どの詩人もまだ優美で音楽的な近代詩風のものを残している。けれど彼等のまえに現われたのはそれだけでは抑えられない自己を批評する精神と伝統と革新の拮抗だった。2014/10/31
横丁の隠居
1
古い本なのだけれど、読み返すと味わいが。扱われている詩人は、賢治、喜八、光晴、達治、重治、心平、冬彦、中也、道造、順三郎。この中では、北川冬彦をもう一度読んでみたいと思う。検温器と花とか。長生きされたのでまだ青空文庫には収録なし。2023/12/10