出版社内容情報
中国思想が黄金期をむかえた春秋・戦国時代。すぐれた思想家たちが思索を重ね、学派をつくり、互いに論争して理論を磨き上げた。人はいかに生きるべきか。社会や国家はどのようにあるべきか。人間とは、世界とは、論理とはいったい何であるのか――。 儒家、墨家、道家、兵家、法家から、名家、陰陽家まで。絶え間ない戦乱と侵略の時代が生んだ百花繚乱の思想を、第一人者が明快な図解とともに読み解く。現代日本人のための中国思想入門。
内容説明
中国思想が黄金期をむかえた春秋・戦国時代。すぐれた思想家たちが思索を重ね、学派をつくり、互いに論争して理論を磨き上げた。人はいかに生きるべきか。社会や国家はどのようにあるべきか。人間とは、世界とは、論理とはいったい何であるのか―。儒家、墨家、道家、兵家、法家から、名家、陰陽家まで。絶え間ない戦乱と侵略の時代が生んだ百花繚乱の思想を、第一人者が明快な図解とともに読み解く。現代日本人のための中国思想入門。
目次
第1章 諸子百家とは何か
第2章 儒家
第3章 墨家
第4章 道家
第5章 名家
第6章 兵家
第7章 陰陽家
第8章 法家
著者等紹介
浅野裕一[アサノユウイチ]
1946年、仙台市生まれ。東北大学名誉教授。文学博士。東北大学文学部卒業、同大学大学院文学研究科博士課程修了ののち、同大学大学院環境科学研究科教授をつとめた。専門は中国哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さとうしん
18
出土文献からの成果も豊富に取り入れた諸子百家入門。今回の文庫版では名家、陰陽家など章節新たに追加し、その後発見された出土文献や新たな研究の成果を参照して追記がなされている。儒家や孔子に関する理解が浅野流なので、その点だけは個人的に支持できないが、それ以外はおおむねまとまった概説となっている。欲を言えばね雑家すなわち諸子の成果を総合した『呂氏春秋』の章もあれば良かった。2024/03/03
新天地
6
麻の如く乱れた群雄割拠の中華世界で生き残るため、或いは立身出世のため、さらには天下統一のため乱立した思想や学問にロマンを求めていたため非常に興味があり読むが、著者は孔子の仕官できなかった怨念は後の儒家に大きな影響を与えているとか、名家は詭弁などなかなか当りが強く、他に誤った学説やイメージにもかなり手厳しい。なぜそれは誤った学説なのか、なぜその思想や学派は歴史の中で廃れたのか等を上博楚簡や郭店楚簡などの新資料により論理的に詰めていくのが面白かった。ただロマンがロマンのままでいることはできなくそこは寂しい。2024/04/08
赤白黒
5
近年の出土史料から得られた成果も多く取り入れられた、諸子百家全体の概説書。要点が図に纏まっているので初心者にも優しい。紀元前数世紀という時代に、これほどまでに多彩で奥深い思想が華開いた中国戦国時代の凄みに圧倒された。墨家や兵家は現代にも充分通用するし、名家に至っては宛らギリシア哲学である。ただ、著者の語り口について、儒家に対してはあまりに辛辣で(下品とすら思ってしまった)、その点だけが残念。諸子の豊かな思想的営みの多くがその後の儒家一尊で失われてしまったことを思えば、苦言を呈したくなる気持ちも分かるが。2024/09/15