出版社内容情報
ある日、ぼくに届いた若草色のふうとう。差出人は、「信用第一 あなたの町の ヤマネコ不動産」とかいてある。「あなたにぴったりのお店を格安でご紹介。ただし条件あり」だって。なにかへんだが気になって物件を見に行くと、あらわれたのは小柄な男。ゴロゴロのどをならしながら「ヤマネコ不動産の猫山」と名乗り、なぜか、どんぐりなんかすすめてきて……猫山さんが紹介する3つのあやしい物件が、皆に幸せをはこびます。
内容説明
かさとぼうしの店くわの実堂/路地うらのレストラン/小さなぬいぐるみ工場。ドングリが大好物の猫山さんがおすすめする物件と、ふしぎな動物たちにまつわる3つのお話。読むとしあわせな気持ちになります。小学校中級から。
著者等紹介
藤重ヒカル[フジシゲヒカル]
千葉県生まれ。武蔵野美術大学卒業後、建築インテリアの仕事に従事するかたわら、飯野和好氏に師事。絵本・童話をかき始める。2017年『日小見不思議草紙』(偕成社)で、第50回日本児童文学者協会新人賞を受賞、ミュンヘン国際児童図書館ホワイト・レイブンズ選定。日本児童文学者協会会員
樋口モエ[ヒグチモエ]
愛知県生まれ。デザイン会社勤務を経てイラストレーターとして活動している。ねこをはじめ、さまざまな動物や植物をやわらかいタッチで描く。おもな仕事は、書籍装画・挿絵、雑誌イラストなど(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あじ
23
【小学校中学年〜児童書】人間の姿に変身している山猫の猫山さんは町の不動産屋さん。でも動物相手に商売をしている訳ではなく、格安で人間に貸し出すかわりにある条件を持ち出します。それはある一定の動物に利益のある店を裏で維持すること…。ファンタジー感度じわじわな三篇を収録しています。たっぷり挟まれた装画と挿絵の可愛さも相まって、シリーズ化を希望したい一冊に出会いました。2025/02/10
ニャーテン
9
ちょっと怪しげな『ヤマネコ不動産』の猫山さんから紹介された物件を借りた人たちのとっておきのエピソードが三話収録。何日かに分けて読んだが、第一話の「ネコヌレ~ズ」から「ネコヌレ~ズっていったい何なんだろうね?」とすっかり心を掴まれた9歳息子の反応は読む度良好。第三話「夢のぬいぐるみ工場」の若者たちの正体には親子でびっくりしたなぁ。どのお話も不思議でほっこりして夢のある素敵な読み心地。息子が最後まで「猫山さんの正体は何なんだろう?」と気づいていないのも可笑しかった。結構わかりやすいと思うけどw2025/03/13
timeturner
7
不思議な常連さんたちがやってくる傘と帽子の店やレストラン、熱心な海外研修生が修行にくるぬいぐるみ工場。ヤマネコ不動産が仲介する物件は幸せを運んでくる。ふんわり楽しい不動産ファンタジー(?)だった。私もあんなぬいぐるみを買って一緒に眠りたいなあ。2025/05/19
☆ひとこぶラクダちゃん☆
5
ヤマネコ不動産がオススメする物件に携わると、不思議な動物たちが舞い込みます。猫が求めるレインコートのお店、美味しいレストラン、夢溢れるぬいぐるみ工場の3作品です。お気に入りは、ぬいぐるみ工場。切ないおじさんの心を動物たちが癒してくれる心温まるお話です。私も、このぬいぐるみが欲しいです。とても可愛い物語でした。2025/05/25
遠い日
5
藤重ヒカルさんの持ち味の不思議な世界観が温かくて、不動産屋のヤマネコの猫山さんの独特の雰囲気が謎めいていていい。格安物件あり。でもそれには条件あり。この条件をクリアしないと格安にはならない。動物たちとの交感が楽しくて、次はどんな物件が登場するのだろうとわくわくしながら読み進みました。2話目の「月曜日のお客さま」がいちばん好きです。紙料理を見てみたい!2025/03/21
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