著者等紹介
石黒誠[イシグロマコト]
1973年北海道南富良野町に生まれる。東京農業大学卒業。富良野市博物館に学芸員として勤務の後、2004年に写真家として独立。公益社団法人日本写真家協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆみきーにゃ
84
たくさんのふしぎ傑作選。本当にたんぽぽの綿毛を付けてるように見える。こんな小さな虫が弱肉強食の世界で生きていく様は美しい。2021/05/18
☆よいこ
82
科学読み物。北海道〜東北に分布する[トドノネオオワタムシ]雪虫について、写真でその成長や生息地について説明する。▽ヤチダモの木に雪虫の卵→幹母(かんぼ)4回脱皮して子虫を産む、すべてメス→アブラムシみたいな子虫。4回脱皮して初夏の雪虫になりトドマツへ飛ぶ。羽のない子虫を産む。全てメス→アリと一緒に土中で暮らし、子虫を産む。繰り返して増える。→秋になると羽のある子虫が表れ雪虫として飛び立つ。ヤチダモへ帰る→ヤチダモでオスとメスの子虫を産む→それぞれ4回脱皮してから交尾し、メスは卵を産む。卵で冬をこす。▽2021/07/12
seacalf
56
まだ10代の頃に一度だけ見た雪虫の舞う風景が忘れられない。その時に見たような幻想的な写真が多く見られるのかと思いきや、雪虫の生々しい生態を紹介する科学絵本。ふわふわと可愛らしい虫と思っていたら、葉にびっしりと纏わりついてるあのアブラムシの仲間と知って面食らう。正式にはトドノネオオワタムシ。第一世代はメスのみで卵ではなく子をはらむとか、一時期はアリの巣に住むとか、成虫には口すらなく交尾をして数日しか生きられないとかびっくりする生態に関心しきりだが、しろばんばの愛称でも知られるあの雪虫とのギャップに驚いた。2022/03/24
ちえ
46
10月半ばに雪虫が飛び、その後1週間から10日経つと初雪。正式名トドノネオオワタムシというアブラムシの一種。身近な雪虫の生活が一年の間に6‐7代にわたり姿もまったく変えていたとは知らなかった。小さな雪虫がこんなダイナミックな生き物だったとはなあ。◆たくさんのふしぎ傑作集2021/11/21
陽子
40
とても珍しい絵本を見つけた。北海道ではおなじみの「雪虫」だが、私はこの絵本で初めて雪虫の生態を知った。初冬の空中に雪のように舞う雪虫。この生体になるまでに春から何世代にもわたり、姿を変え、住む場所を移動しながら、あの姿になるなんて驚きだった。弱くて小さな虫が次の世代に命のバトンを繋ぐために、他の生体と助け合いながら生きる緻密な自然界のシステムに驚異を感じた。一見したら気持ちが悪くなるほど密集している虫の様子だが、そんなことを知ると見る目が変わる。小さな雪虫の姿を追い続けた写真絵本の作者に敬意を感じた。2021/12/18