内容説明
この絵本には1970年代の韓国農村部の暮らしが描かれています。1970年代まで、ほとんどの韓国の子どもたちは、チェクポを背負って学校に通いました。カバンがとても貴重な時代だったので、家にある四角い風呂敷や布で本を包んでカバンの代わりにしていました。すべてが不足していた時代、かわいいカバンの登場は子どもたちの羨望の的となるほかなく、主人公のオギも例外ではありません。このような厳しい環境の中でも使い古した余りものの切れ端を利用して、美しい布として活用した昔の人々の生活の知恵とその中に含まれている韓国的な美意識は、豊かな時代を生きている私たちに大切な価値観を教えてくれると思います。4才から。
著者等紹介
イチュニ[イチュニ]
大韓民国慶尚北道奉化郡の農家の娘として生まれ、果樹園農家を営む両親や祖母からたくさんの昔話を聞いて育った。5人の兄妹たちとともに物質的には貧しかったが心豊かな子ども時代を過ごした。川と夕焼けが美しく、昔話が生き続けている安東に長いあいだ暮らし、安東大学国語国文学科を卒業。韓国の昔の子どもの遊びや、田舎の暮らしの片隅に残された文化を絵本にとどめるシリーズで注目された
キムドンソン[キムドンソン]
1970年大韓民国釜山広域市生まれ。洪益大学東洋画科卒業。邦訳された『かあさんまだかな』(フレーベル館)は、韓国出版文化賞を受賞した。韓国固有の文化や生活の中の美を描く作家として知られている
おおたけきよみ[オオタケキヨミ]
大竹聖美。1969年埼玉県生まれ。白百合女子大学大学院修士課程修了後、日韓文化交流基金訪韓フェロー、大韓民国政府招聘留学生として延世大学大学院で博士(教育学)学位取得。東京純心大学こども文化学科教授。『とらとほしがき』(光村教育図書)、『とんぼ』『十長生をたずねて』(ともに岩崎書店)、『非武装地帯に春がくると』『とうきび』(ともに童心社)など韓国の優れた絵本を多数紹介している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。