新潮選書<br> 座談の思想

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新潮選書
座談の思想

  • 著者名:鶴見太郎【著】
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  • 特価 ¥862(本体¥784)
  • 新潮社(2014/05発売)
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  • ISBN:9784106037368

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内容説明

話し言葉の豊かさや情緒によって、座談はときに著作よりも雄弁にその人の思想の本質をあらわす。座談の場で、相手の発言に誘発され生じる着想や反発、沈黙――その一瞬に、文章にはあらわれない思想の幅や誠実さが浮かび上がる。桑原武夫、柳田国男、丸山眞男らの膨大な対話を掘り起こし、近代日本思想史を捉え直す画期的評論。

目次

第1部 座談と日本近代(座談という思想空間 座談的世界の広がり―『三酔人経綸問答』から)
第2部 企画者の光と影―菊池寛(良い座談会にむけて 軌道に乗る座談会 劣悪な環境の中で)
第3部 彼等の座談(優れた座談のかたち―桑原武夫の力量 対峙する場―柳田国男と石田英一郎 感情と内省―中野重治の誠実 良い話相手とは誰か―丸山眞男に対坐する 寡黙さの中に―竹内好の表情)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

14
中江兆民『三酔人経綸問答』(5頁ほか)は読まないといけない。沈黙、寡黙、歯切れの悪さ(6頁)。学生時代ゼミの僕もそんな感じ。読書会を主宰するとは意外だ。アイディアが生まれるのは別のアイディア、別の思想から(22頁)。専門家同士だけでは突飛な発想は得られないのだろう。読書会も参加者からの違った考えから刺激を受ける貴重な機会。読書会と座談会の違いは、本を素材に語るか、否かかもしれない。心地よい座談とは、参加者が自在に意見を述べ、相手の優れた着想を聞き、反応をしていく自在感のある関係が背後にある(132頁~)。2014/02/23

さえきかずひこ

13
著者は総合誌や文芸誌を問わずそこに掲載される論文や解説などに比べ軽んじられる座談への評価に疑念を感じ、資料を博捜したうえで、日本語で行われる座談のなかに、すぐれた話し手の誠実な人柄を浮かび上がらせるやりとりを丹念に読みとり、論じていく。桑原武夫、中野重治、丸山眞男、竹内好らが第三部では扱われるが、最大の読みどころは第二部を丸々充てて論じられる、戦前の『文藝春秋』の座談会を実り豊かなものになした菊池寛の人物についてだろう。機転が利き、判断力も確かで、情に厚い菊池への共感が抑制的な筆致のなかから溢れ出てくる。2020/01/07

ポカホンタス

3
「座談会」の歴史や意義についての評論。興味深いテーマ。中江兆民、菊池寛、桑原武夫あたりまでは面白かった。柳田国男、石田英一郎、中野重治、丸山真男、竹内好が取り上げられる後半は話がかなり入り組んでいて見通しが悪く、げんなりした。扱われている人物もかなり偏っているという印象。2014/01/05

terupoterupo

2
戦後の思想史、そして「人」というものが見えてくる本だった。2013/12/30

takao

1
ふむ2017/06/16

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