出版社内容情報
年若い中国の友人チャンの乗った飛行機が遭難した。彼を救うためカトマンズからヒマラヤの山奥へと出発したタンタンの一行はシェルパとともに、ついに遭難現場へたどりついたが……。
<読んであげるなら>---
<自分で読むなら>小学中学年から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
247
シリーズ第1号は、1929年にベルギー(仏語)で子供向け新聞に掲載された『タンタン ソビエトへ』らしい。単行本は全部で24あるが、本篇は20作目に当たり、刊行は1960年。'29年といえばロシア革命後まだ12年しか経ていない頃だ。随分と新奇だったと思われるが、以下コンゴ、アメリカと続き、子供たちに未知なる世界を提供していたのだろう。この『タンタン チベットをゆく』も、やはりそうした路線の延長上にある。山々をはじめゴンパなどの光景も正確に写し取られている。イエティの登場は、案外本気だったのかもしれない。2015/07/13
まふ
114
タンタンシリーズでG1000に選定された3冊中の一つ。なぜ、マンガなのにこのシリーズだけがG1000に選ばれたのかは皆目不明。他にもマンガなら選ばれそうなのに、と言っても始まらないので読む。今回はチベットで飛行機事故に遭い行方不明となった友人のチャンを探しに船長と犬のスノーヴィとともに出かける。さまざまな困難の後に雪男に助けられて一緒に住んでいるチャンに巡り合える、というストーリー。筋書きはともかく絵が余計な描写もなく正確に描けていることに感心する。世界中で人気を博した所以が納得できる。G1000。2024/02/07
扉のこちら側
81
2016年204冊め。【149/G1000】ブリュッセルでのテロについて考えていてベルギーの本を読みたい本リストから選出。G1000リスト本ということでもあり、いきなりシリーズ20作目に着手してしまった。イエティが人間らしい心をもった生き物であるからこそ、きちんと別れの挨拶をしてほしかったと思うのは日本人的義理人情感なのか。タンタンやスノーウィ等のキャラ名は言語によって変わっているけれど(邦訳は英訳に準じているようだ)、中国人の友人に教えてもらったスノーウィが『白雪』というのを聞くとまた違った印象になる。2016/03/23
たんたん(休みます)
71
タンタンは勇気があって優しくて正義感の強い好青年。友達の為ならみんなが止めてもチベットの山奥までも行くのだ。飛行機事故にあった友達の運命はいかに…。ラストにジーン。この絵本、なんといっても絵がいい。色鮮やかでとても楽しい。子供達は目をキラキラさせて読む事だろう。そして、街並みがイキイキしている。飛行機が苦手な私はこの絵本を見ただけでチベットを旅行した気分になれた。"たんたんもチベットをゆく"だ。次はどんな冒険に私を連れて行ってくれるだろう。船長いいね〜♪2015/07/08
Willie the Wildcat
49
帰宅したら「図書館で又借りてきたよ~。」とにっこにこの次男。かわいい・・・。しかも、去年家族旅行したネパールの話!いつもながらの「愛と友情」の冒険。そんな中でも、やはり今号は「イエティとの友情」ですね。信じることの大切さを感じる。イエティの後姿と、船長の山登りの準備のシーンが印象深い。どちらも友情。前者からは別れる寂しさ、後者からは照れくささの滲む友情。蛇足だが、船長の”親父ギャグ”を、次男は理解に苦しんでいた・・・。(笑)思いがけない次男との楽しい時間となったなぁ。2012/10/11