出版社内容情報
ゴーシュは動物たちの助けをかりてセロの練習をします。「賢治を描いては最高」といわれる画家の絵をそえて1冊に仕上げられた、文学のすばらしい贈り物です。
<読んであげるなら>5・6才から
<自分で読むなら>小学低学年から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミーコ
44
有名な作品なのに、子供時代は本が嫌いで 読んでいなかったので図書館より借りて来ました。最初はゴーシュ 怒られてばかりなのに 朝まで練習をして凄い努力家だと思ったのですが 訪ねて来る動物に暴言を吐き 性格を疑ったりしました。でも最後は心が暖かくなるお話。茂田井さんの絵がお話とマッチして 素敵でした。 続けて宮沢賢治さん 読んでみようと思います。2018/09/06
てんちゃん
38
宮沢賢治らしい、キテレツなユーモアがつまっている。悲しい影がなく、最後は明るくハッピーエンドなのがうれしい。挿し絵は宮沢賢治同様に若くして亡くなってしまった画家の茂田井武さん。味わいとエネルギー、リズムに溢れた絵でこの作品にぴったりの挿し絵。宮沢賢治の絵本を何冊か読んで気づいたけれど、彼の作品は解釈の仕方に幅があるから、挿し絵によって作品の雰囲気だけでなく、作品そのものの意味すらも変えてしまうように思う。挿し絵によって作品を何通りにも楽しめそう。宮沢賢治十番勝負、四番目。2016/06/17
らん
30
かっこうにだけ「すまなかった」と思って、猫にそう思う場面が何故ないの?猫にもかなり強く当たっていたけど?と以前読んだ際に感じて、今回もまた同じ事に疑問を感じる。そこにも賢治の意図があったのかな?とも思えてきて…。成長して自らを顧みる事ができるようになっても、過去に辛く当たった事の全てを覚えている訳でもなく私も忘れてしまっているなと思ったり、ほんのわずかでも自分を成長させてくれた物や人…成長するきっかけを貰いながら気づいていない事があるのかもしれないなと考えました。(深読みしすぎかも?)2023/12/08
riviere(りびえーる)
23
時々思い出しては再読している絵本。茂田井武のゴーシュがとても好き。チェロがひけて動物たちと話ができる。ハイカラで一途で素朴。水車小屋に住んでいてトマトとキャベジを育てている。瀬田貞二氏による夭逝した二人の天才(茂田井と賢治)へのあとがきは、何度読んでも胸が熱くなる。2015/09/29
ゆるり
18
絵が好みだな、と読むことにしたら、宮沢賢治だった。さっと一読して、なんかわかりにくいな…というのが最初の印象。言葉が古くて?面白かった。普段、ゴーシュの音楽に癒されてた動物たちが、練習に協力して、落ちこぼれ楽団員だったゴーシュをすごい弾き手にするというお話かな。水をガブガブ飲んで、夜が白むまで練習して、赤ん坊が兵隊ほどに腕が上がった。ラスト、ゴーシュが、かっこう、あのときはすまなかったなぁ、怒ったんじゃなかったんだ、と言うところは、ホロリときた。 あとがきに作画の茂田井武さんについての記述が嬉しかった。2019/09/02