内容説明
王侯たちの予言者、極東の神秘家、わたしはマダム・ヴォルテール、宇宙の神秘を握る者…。ニューイングランドの小さな田舎町、秋のカーニバルも今やたけなわ。町の図書館員ジェニファー・キールは、小さなテントの中、2本のろうそくをともし、黒いヴェールをかぶり水晶玉代わりの文鎮を前にして、次々とテントに入ってくる近所の子供やお年寄り相手に、ロマンス、冒険、お金、危険…、思いついたことを口から出まかせに予言して、もうくたびれかけていた。そんな時、一度も見たことのないすてきにハンサムな男性が、マダム・ヴォルテールのテントに入ってきた。その人の、眉間に深く刻まれた苦悩のしわを見つけたとき、ジェニファーは、どうしてもそのしわのわけを知りたいと思った。