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内容説明
イブはいらいらすると、はさみで髪を切ってしまう癖があった。きょうも、学校のことや妹のことでむしゃくしゃして、つい、はさみに手をのばしてしまった。だが、麦穂のようにつっ立った髪を見て、さらに気分が重くなる。そのとき、ポーチのベルが鳴った。外に立っていたのは、革のジャケットを着た野性味のある男性。隣の空き部屋と間違えてきたらしい。彼はイブのひどい髪を見て、さんざんからかって去っていった。フードプロセッサーに頭を近づけすぎたのかな、ですって。だが、彼女はまだ知らなかった。彼こそが、この町に、学校に、新しい風をまきおこしにきた新任の校長ブライスだということを。