目次
序章 植物地理学の誕生と現状(ウォレスとダーウィン;生物地理学の誕生 ほか)
第1章 琉球列島における植物の由来と多様性の形成(日本列島とユーラシア大陸を陸橋でつないだ琉球の島々;琉球列島での種分化・種内分化の時期―陸橋が形成と分断を繰り返した時期と合っているのか? ほか)
第2章 南半球分布型植物の分子系統地理(南半球において隔離分布する植物;ゴンドワナ大陸の地史 ほか)
第3章 被子植物の分布形成における拡散と分断(生物地理学における生物区系;系統樹に基づいた生物地理研究 ほか)
第4章 沿海州の気候と植生(沿海州の位置と気候;沿海州の植生 ほか)
著者等紹介
植田邦彦[ウエダクニヒコ]
1952年生まれ。1981年京都大学大学院理学研究科博士後期課程修了。現在、金沢大学自然システム学系教授。理学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ビリー
3
植物の進化や分布について地理・地質学的に研究するのが植物地理学。日本と北米の植物相の類似だとか、アフリカ・南米・オセアニアにだけ生育する隔離分布とか。この本では従来の大陸移動・気温の変化・海面の下降による陸橋の形成等に加えて、分子系統学的な観点からもアプローチしている。ただ、分子系統学的な研究は今までの定説とは矛盾することも多いらしく、『なんらかの形で長距離散布されたらしい』みたいなふわふわした結論になっている所もしばしば。自然ってそんなものかもしれないけど、いつか答がわかる日がくるのを期待したい。2015/03/30