出版社内容情報
徳川家康の遺言により造営された日光東照宮は、1636年、三代将軍家光の手によって大幅に増築された。現在の社殿の大半はこの時の造営によるものとされる。近世において日本人の尊崇の対象となった東照宮の評価は近代に至って大きく揺らぎ、ドイツ人建築家ブルーノ・タウトから「俗悪品」と酷評されるに至った。環境と自然をテーマとする建築家である著者が、近代以降の東照宮評価を俯瞰・再検討するとともに、文化史としての日本の近代都市論を展開した意欲作である。
内容説明
「日光山ニ東照宮ノ社アリ。其壮麗日本第一ト称ス。」近代日本はどのようにして、自らの東照宮観を形成していったか。フランク・ロイド・ライト、アーネスト・サトウ、エドワード・モース、エミール・ギメ、ピエール・ロティ、そしてブルーノ・タウトも東照宮を見た。絶賛と拒絶の入り乱れたその評価の秘密とは何か。建築から日本美を問う力作。
目次
第01章 様々な疑問
第02年 「壮麗」なる東照宮―明治初期
第03章 「壮麗」をめぐる葛藤―明治中期
第04章 修復をめぐる議論―明治末期
第05章 歴史としての寛永造替―大正期
第06章 東照宮批判―昭和前期
第07章 昭和の大修理―昭和後期
第08章 東照宮の実像―東照宮の現在
第09章 東照宮の近代―都市としての陽明門
著者等紹介
内田祥士[ウチダヨシオ]
昭和30年、東京恵比寿に生まれる。早稲田大学理工学部建築学科卒。増沢建築設計事務所勤務の後、平成元年東京大学大学院博士課程単位取得後退学、建築設計事務所習作舎を設立。平成4年東洋大学講師。平成18年博士号取得。現在、東洋大学教授・建築家。建築作品―「天竜市秋野不矩美術館(日本建築学会建築作品選奨)」(藤森照信+内田祥士)、「人間環境デザイン学科実験工房(BELCA賞)」(久米設計+内田祥士)、「妙寿寺庫裏(JIA環境建築賞)」(内田祥士)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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