内容説明
急速な国際共存化のなかで21世紀の日本人は、伝統と宗教の諸問題を再確認しなければならないとする現代宗教論。
目次
1 二十一世紀の課題と日本の伝統・宗教(二十一世紀の課題と宗教の役割;国際化と日本の伝統;人権と日本の伝統)
2 現代社会における宗教の意義(現代社会における宗教の意義;宗教とは何か―宗教学説の展開を通して)
3 日本の伝統における世俗性について(Secularity(世俗性)の意味内容について―日本の伝統における「世俗性」の検討のために
日本に伝統におけるSecularity(世俗性)について)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
6
「東洋において自然科学が形成されなかった理由の一つとして自然観の相違によると一般に考えられている。これに関する秀れた論文もある(勝部真長「東洋の自然観」)。…しかし…少し違ったアプローチ…は「合理性」あるいは「世俗性」等ーに注目して理解する方法である。「合理性」について、A・N・ホワイトヘッドは自然科学形成には、中世が偉大な寄与をなしたと主張する。理由としては「エホバの人格的力とギリシャ哲学の合理的精神とを併せもつものと考えられた『神』の合理性を中世の人々があくまでも強調したことに由来する」からという。」2021/09/11