内容説明
徂徠学の「解体」と「新しい学」の形成。「近代」からの眼差しによって線的に語られてきた「日本思想史」のもとで、常に、「時代を越えた天才」として切り離され、宙づりになっていた富永仲基の存在を、十八世紀、懐徳堂周辺に生まれた市井知識人たちの思想的実践のなかに取り戻す試み。
目次
第1章 反徂徠としての富永仲基―「論語徴駁説」を中心に
第2章 近世市井の歴史意識―『日本春秋』と『日本春秋書入鈔』
第3章 譬喩の言語学―富永仲基「三物五類」の説
第4章 あたりまえの誠の位相―「誠の道」と『中庸』の誠をめぐって
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