内容説明
アメリカ白人が民族間での財の分配を判断する場合には、「生物遺伝構造に関する意識」が彼らの判断に影響を与える。日本を狙い撃ちにした反捕鯨問題にもそのような判断が影響している。第2版はとりわけその点の実証例を明示し、本書全体の論旨を一層強化したものである。
目次
第1章 アメリカ人による日本叩き:日本叩きとしての反捕鯨問題
第2章 反捕鯨意識を論ずる場合の社会科学的方法
第3章 食糧分配における生物意識から見えてくるアメリカ人の反捕鯨意識
第4章 反捕鯨意識についての「指標」をつくる:「説明されるべきもの」
第5章 反捕鯨意識についての「指標」をつくる:「説明するもの」
第6章 捕鯨反対を促す諸要因の関係:パス・モデルの試み
第7章 他の捕鯨民族による捕鯨に反対する場合と比べて、アメリカ人が日本人の捕鯨に反対する特別な理由はあるのか?
第8章 国際経営の観点から見た「反捕鯨についての文化帝国主義」の意味
第9章 鯨保護意識におけるアメリカ人の「経済的御都合主義」
第10章 極東ロシア人の場合にはどうであったのか?
第11章 捕鯨国と反捕鯨国との文化的亀裂
第12章 結論
著者等紹介
丹野大[タンノダイ]
早稲田大学第一文学部卒業(1976年)。早稲田大学大学院後期課程単位取得退学(1984年)。その間、慶応義塾大学大学院においても科学哲学を学ぶ。1984年に渡米、Georgia Southern University社会学部助手およびThe University of Georgia人類学部助手を経た後、経済人類学において1993年に博士号(Ph.D.)を取得。1993年から1998年まではSalem‐Teikyo University(West Virginia州)の「The Department of Japanese Studies」においてAssistant Professorおよび学部長を務める。1998年に帰国し、以来、青森公立大学経営経済学部において勤務、「国際経営論」等も担当し現在に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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