内容説明
本書は、「世界史における日本の文化の成立過程研究会」のなかで、共通の認識を形成するために基本的問題を提出してもらい、その中から第1部に古代から近世に至る精神の規範の形成史とでもいうべきものを、第2部では、近代から現代における欧米精神の受容と変貌を具体例で検証したものである。
目次
第1部 日本の文化的性格と儒教の受容と変貌(日本人の基底的感情の一典型をめぐって;日本人の異文化体験―中世日本人と蒙古襲来;近世日本の知識人に見る朝鮮認識の原点;儒教思想における文化と人間;徳川時代の思想について―儒教思想の展開をめぐって)
第2部 近代化精神の原基―その受容と変貌(日本近代化の性格をめぐって;権利思想の翻訳事情;啓示と日本文化―カール・バルト神学とそれに対する滝沢克己の限界;日本の近代化における西欧的自我の不在;主権在民の政治と平和主義の理念―「ポツダム宣言」の受諾と「日本国憲法」がもたらしたもの)