内容説明
つくばエクスプレス開通などで急速に開発が進む千葉県柏市「柏の葉」周辺には、戦前、帝都防衛の拠点として陸軍柏飛行場があった。米軍のB29に対する秘密兵器として開発されたロケット戦闘機「秋水」の基地となったこの地域に今も残る戦争遺跡を調査した市民グループによる活動記録。
目次
第1章 飛行場開設前の柏と田中
第2章 帝都防衛と柏飛行場
第3章 「秋水」と柏飛行場
第4章 市域と周辺の軍関連施設
第5章 人々の語る戦争と柏
第6章 その後の柏飛行場
柏歴史クラブの活動記録
著者等紹介
上山和雄[ウエヤマカズオ]
1946年生まれ、柏歴史クラブ代表、柏市史編さん委員、町田市史編集委員、國學院大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Pideki
4
私の住む街は、かつて陸軍の飛行場だった。今は日本におけるスマートシティの先駆的な街で、マンションが建ち並び人口も増え続けている。子育て世帯が多く、街はいつも子どもたちの元気な姿でいっぱいだ。そんな近未来都市の片隅に、太平洋戦争時に作られた掩体壕や燃料庫などの戦争遺跡が、今もひっそりと残されている。そのことを知る住民がどれほどいるのか。本書を通し、この街の戦時下の様子を詳しく知ることができた。この街は最先端スマートシティである一方、戦争の歴史にも深い関わりのある街だ。そのことを子どもにも教えていきたいと思う2023/03/03
ままごん
0
「秋水」というロケット戦闘機は、大戦末期に追い詰められた日本が陸海軍共同で開発した戦闘機ですが、やはりうまくいかなかった。今まで海軍側の言い分を読むことが多かったのですが、今回初めて陸軍側の本を読んで、あらためてムリな開発だったと思いました。柏市はウチから近いので、そのうち戦争遺跡を見に行こうかと思いますが、こういった戦争遺跡はいったいどのレベルまで後世に残すべきなんでしょうね?都市計画とうまく折り合えばいいのでしょうけれど、柏市はそういう意味ではある程度うまく折り合いをつけられたのでしょうね。2016/09/15
くらちゃん
0
柏の歴史の本やHpを漁っているうちに知りました。太平洋戦争末期に柏は軍郷とよばれ、陸軍の飛行場が松戸市松飛台も含め3箇所建設されました。現在柏の葉住宅地の所にもあったそうで、歴史を感じます。「秋水」も戦争最後期に作られたロケットで、当時、もしかしたら柏でも特攻が行われたという話で、冷や汗がでます。