内容説明
長い文学遍歴のなかで出会った文人・詩人・俳人たちとの俳句ドラマを回想をまじえつつ簡潔明晰に綴る。文学者たちとの交流を描いた「鎌倉文庫のこと」から絶筆「入院日録」まで、孤高を持した俳人の香りたかいエッセイ26編。
目次
鎌倉文庫のこと
桜さまざま考
さくらんぼの木の下で―太宰治と私
遠景の新春俳句あれこれ
如月のさむい俳句いろいろ
弥生の花と鳥の俳句
卯月に想う四Tの俳句
皐月の青・赤・黄の俳句
水無月の夜を飛ぶものの句
回想の文月の俳句〔ほか〕
著者等紹介
中村苑子[ナカムラソノコ]
大正2年(1913)3月25日、静岡県伊豆大仁町に生まれる。昭和15年(1940)、三橋鷹女の存在を識る。同19年より「馬酔木」「鶴」に投句、水原秋桜子、石橋秀野の選を受ける。同24年「春灯」に入会、以後8年間、久保田万太郎に学ぶ。同33年、高柳重信と「俳句評論」を創刊、同58年高柳の急逝により同誌終刊。現代俳句協会、日本文芸家協会会員。現代俳句協会賞、現代俳句女流賞、詩歌文学館賞、蛇笏賞などを受賞。著書に、句集『水妖詞館』『花狩』『中村苑子句集』『吟遊』『花隠れ』、エッセイ集『俳句自在』『私の風景』など。平成13年1月5日永眠。富士霊園の墓碑に刻まれた句は〈わが墓を止り木とせよ春の鳥〉
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