内容説明
革命前ロシアのツァーリ(皇帝)は、絶対主義と農奴制を背景に民衆と敵対する存在とされてきた。しかし事実は逆ではなかったのか?民衆の皇帝信仰のメカニズムを追ううちに浮かびあがる「ツァーリ信仰」の事実。歴史の虚実のはざまに立つ皇帝像を追い、民衆の社会意識の変遷に注目した新しいロシア像の登場。
目次
第1章 ツァーリの「下僕」たち―近世ロシアの貴族と農民
第2章 北ロシアの農民「共和国」―農民自治の伝統
第3章 逃亡農民のゆくえ―その行動と社会意識
第4章 村司祭の社会史―ツァーリ政府と村の狭間で
第5章 なぜ農民の歴史を学ぶのか―名著『女帝エカテリーナ2世治下の農民』を読む
第6章 東欧の絶対君主と農民―ロシアとプロイセンの場合