内容説明
さまざまなジャンルの著名人によるショートエッセイ。これは単なる芸術論ではなく、人生論。
目次
1 世阿弥に学ぶ(1)(花は心、種は態なるべし;心より心に伝る花;人、人にあらず、知るを以て人とす ほか)
2 世阿弥に学ぶ(2)(初心不可忘;老後初心不可忘;万能綰一心 ほか)
3 世阿弥を味わう(高砂や、この浦舟に帆を上げて(高砂)
逢はでぞ恋は添ふものを(班女)
後は鬨の声絶えて、磯の波松風ばかりの、音淋しくぞなりにける(八島) ほか)
著者等紹介
山中玲子[ヤマナカレイコ]
能楽研究者。法政大学能楽研究所(教授・所長)。1957年生。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yoneyama
1
能をやってみようと思い手に取った。能のなんたるかはまだ知らないが、1400年代の劇作家の書いた言葉をこれだけの人々が日々かみしめているのがすごい。「離見の見」など、面白い。冒頭の世阿弥紹介文で不遇ながらも充実の人生を知る。2019/02/01
絶間之助
1
能楽師、能楽研究者、作家、俳優が、世阿弥の風姿花伝等の著作から、また世阿弥作品の詞章の一部から一節を取り上げ、それについて語る本です。有名な「初心不可忘」は、芸が未熟だった時を忘れるな、ということ。「離見の見」では、観世流宗家の「シテは演技が終わると、鏡の前に立ち己の姿を見る」という話に驚きました。後半では「姨捨」の「返せや返せ、昔の秋を」の一節が印象的。シテ姨捨が呆然と立ち尽くす最後のシーンを思い出しました。とても良い本でした。2016/05/26
はる
0
様々な方に印象的な世阿弥の言葉はなんですか?と尋ね、それについて一言貰ってみた本。出典は様々だが風姿花伝からが多い。それぞれの思い入れ、思い出が綴られていて面白かった。読了後は世阿弥の著述をあさりたくなる2015/02/17
summergirl
0
砧のみ。 「思い出は身に残り」「はらはらはらといずれ砧の音やらん」 能、凄すぎ。2019/09/15