出版社内容情報
全共闘運動の高揚から衰退への過程を事実をもとに跡づけた東大闘争私史。
1968年6月17日(月)。東大医学部の学生たちによる「医師法改正」反対闘争に端を発した東大闘争は、この日はじめて大学構内に機動隊が導入された。
東大全共闘が結成(7月5日)され、運動の高揚と共に新・旧左翼諸党派が入り乱れるなかで、主人公[K]はサルトルの実存主義哲学や科学革命の研究をとおして徐々に全共闘に惹かれていく……。
[K]の思いとは裏腹に、医局講座制に象徴される大学アカデミズムの旧弊に固執し真摯な対応を拒否する大学当局・教授陣と学生との先鋭化した対立は、もはや話し合いや交渉で解決する余地を失っていた。各学部の無期限スト突入から69年1月の「安田砦」の攻防へと、政治党派の策謀と暗闘が交錯し、全共闘の思想と方法――現実の矛盾をのりこえようとする運動――が圧殺されるなかで怒濤のように急展開した東大闘争に、[K]はいかなる回答を見出したの
か?
一 団子坂(一九六八年五月X日)
二 機動隊導入(六月十七日)
三 大学の自治(六月十九日)
四 全学抗議集会(六月二〇日)
五 研究室(六月二五日)
六 総長の「大衆会見」(六月二八日)
七 東大全共闘(七月七日)
八 科学の革命(七月三〇日)
九 心臓移植(八月九日)
十 「八・一〇告示」(八月十六日)
十一 実存主義(八月二〇日)
十二 インターン制度(八月三〇日)
十三 読売新聞記者事件(九月二日)
十四 「折原論文」(九月九日)
十五 水俣病(九月二六日)
十六 無期限スト(十月二日)
十七 日大闘争(十月四日)
十八 ポテンシャル・バリア(十月十四日)
十九 ノーベル賞(十月十七日)
二〇 国際反戦デー(十月二一日)
二一 オリンピック(十月二二日)
二二 大衆団交(十月二八日)
二三 ベトナム戦争(十一月一日)
二四 総長辞任(十一月四日)
二五 文学部無期限団交(十一月十日)
二六 全学封鎖の提起(十一月十二日)
二七 近代合理主義行政官僚(十一月二〇日)
二八 「革命の青写真」(十一月二
徐々に運動へと惹かれていく理学部のノンポリ学生「K」を主人公に描かれる、東大闘争の高揚と崩壊の全過程。ノンフィクション・ノベル「東大闘争私史」。メタサイエンティスト・唐木田健一氏
内容説明
一九六八年六月一七日(月)。東大医学部の学生たちによる「医師法改正」反対闘争に端を発した東大闘争は、この日はじめて大学構内に機動隊が導入された。東大全共闘が結成(七月五日)され、運動の高揚と共に新・旧左翼諸党派が入り乱れるなかで、主人公Kはサルトルの実存主議哲学や科学革命の研究をとおして徐々に共全闘に惹かれていく…。全共闘運動の高揚から衰退への過程を、事実をもとに跡づけた東大闘争私史。
目次
団子坂(一九六八年五月X日)
機動隊導入(六月十七日)
大学の自治(六月十九日)
全学抗議集会(六月二〇日)
研究室(六月二五日)
総長の「大衆会見」(六月二八日)
東大全共闘(七月七日)
科学の革命(七月三〇日)
心臓移植(八月九日)
「八・一〇告示」(八月十六日)〔ほか〕
著者等紹介
唐木田健一[カラキダケンイチ]
1970年東京大学理学部卒。1975年理学博士
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