内容説明
言語はどのように話せるようになるのか、人は言語でどう社会化するのか。赤ん坊が話せるようになるプロセスも国、地域によって異なっている。赤ちゃんことばを親がいっさい話さない地域もある。子どもを大人扱いするのは欧米流の子育てなのか?学生がどう社会人になっていくのか、新入社員がどう研修されるのか、日本の新入社員は何も知らないという言説は本当か。子どもも社会に入るだけでなく、社会の方も変えているのではないか。言語と人間の社会化についての入り口から応用(個別研究)まで、文化人類学と言語学・言語教育学を横断する言語研究の新しいジャンル「言語社会化」を概観し、紹介する。
目次
総論(日本語・日本文化に関する言語社会化研究概観)
第1部 翻訳編(言語社会化が文法発達にもたらす影響;日本語におけるコミュニケーションのスタイルの習得;パプアニューギニア、ボサヴィ社会における言語のキリスト教化と文化の脱‐場所化;職場における言語社会化)
第2部 論文編(日本における言語社会化と「責任」の文化的形成;デジタル社会の言語社会化:スカイプ・ビデオによる三世代家族会話を事例に;言語社会化と物語り:オーストラリア在住日本人家族の夕食時の会話を中心に;学習者の行為主体性が第二言語語用論能力に及ぼす影響;新人は何も知らない:日本の会社における「社会人」への言語社会化;国内企業と外国人留学生の採用:就職のための「キャリア教育」に見える言語社会化)
著者等紹介
クック峯岸治子[クックミネギシハルコ]
ハワイ大学マノア校東アジア言語文学科教授
高田明[タカダアキラ]
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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