内容説明
東京を中心とした首都圏の話しことばは、首都圏方言と呼ばれ、多くのドラマ、漫画などの作品で用いられるほか、日本語の会話教育でも取り入れられることがある。本書では、主に漫画作品を対象として、ラ行音の撥音化(わからない→わかんない)等、首都圏方言の表現のゆれがどのように使い分けられているかに関する観察を行った。日本語学習者の表現の幅を広げる支援を行うための基礎研究となることを目指す。
目次
第1章 序論
第2章 首都圏のことばと共通語、標準語
第3章 日本語教育と首都圏方言
第4章 『新東京都言語地図』に見る首都圏方言の特徴的な表現―「スイマセン」とラ行音の撥音化
第5章 漫画作品を対象とする研究について
第6章 漫画作品中に見られるラ行音の撥音化の傾向―『きのう何食べた?』を題材に
第7章 漫画の登場人物が使う「すみません」と「すいません」
第8章 人間関係の変容にともなう話し方の変化―『きのう何食べた?』を題材に
第9章 人間関係の変化にともなうスタイル・シフト―『海街diary』を題材に
第10章 総括
著者等紹介
福池秋水[フクイケアキミ]
1977年生まれ。神奈川県出身。お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士前期課程修了。國學院大學大学院文学研究科博士課程後期修了。博士(文学)。タイ商工会議所大学人文学部講師、早稲田大学日本語教育研究センター常勤インストラクター、国際交流基金日本語試験センター研究員を経て、関西外国語大学外国語学部助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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