内容説明
描かれるのは、ありふれているけれど奇妙なこの世の真実。しごく真っ当にして、やっぱり変な六編からなる小説集。
著者等紹介
伊井直行[イイナオユキ]
1953年、宮崎県延岡市生まれ。83年「草のかんむり」で群像新人文学賞受賞。89年『さして重要でない一日』で野間文芸新人賞受賞。94年、『進化の時計』で平林たい子文学賞受賞。2001年『濁った激流にかかる橋』で読売文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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イノ
15
愛と癒しと殺人を主題としていないが、日常の親しみや焦りや苛立ちを読者に感じさせれば、十分に小説として成り立つんだな。善悪のハッキリした対立は簡単に主題と成るえるが、その安易な手法だけが正しい姿では無いと思い出させてくれた。2015/07/25
ともちゅん
12
日常の中の非日常。ありふれていそうだけど、奇妙。独特の世界観があるなあと感じました。一話目か印象的。2015/04/29
秋良
6
なんというか、小説を読むからには愛や憎しみや暴力や殺人や、まあ何でもいいんだけど何かが起こるのを読んでドラマとかカタルシス、そんなものを味わいたいと思う。だから、何も起きていないことを小説にして読ませてしまう人は技量のある作家であると言えるのでは。2018/06/12
shi-take
4
ただひたすらに淡々としている。何かが始まる予感だけ残して終わる。面白い、楽しい、悲しい、苦しい、そういう感動は見つけられないけど、なんとなく気になる内容だった。2014/09/30
pon
4
見事に欠けていた。最後の短編「えりの恋人」では愛が多少出ようとしていたが、結局出なかった。よく読むと前後する短編で小道具などに繋がりがある気が。2014/09/28