出版社内容情報
住民投票で原発を拒否した新潟県巻町──この住民運動をになった当事者の視線で綴った全記録。原発をとめたい、そして……という未来への熱意が伝わる。
はしがき
第一章 ねらわれた町
1 角海浜
2 反対運動のはじまり
3 攻防の構図
4 手続きの進展
5 「国策」への暴走
第二章 原発のない住みよい巻町をつくる会
1 声の会
2 原発のない住みよい巻町をつくる会
3 婦人だより
4 町の中へ
第三章 計画凍結
1 長谷川町政(1982年~1986年
2 一期目の佐藤町政(1986年~1990年)
3 二期目の 佐藤町政(1990年~1994年)
第四章 自主管理の住民投票から条例制定へ
1 13万羽の折り鶴
2 自主管理の住民投票
3 住民投票条例制定
第五章 住民投票へ
1 町長リコール
2 住民投票
第六章 新生への道のり
1 住民投票以後の巻町
2 越えてきたもの
あとがき
資料 巻原発反対運動 略年表
巻原発一号機の建設着工予定年度と
運転開始予定年度の変更一覧表
■著者からのメッセージ
この度、七つ森書館から『巻原発・住民投票への軌跡』を上梓することができました。
巻町が原発建設をめぐる住民投票を実施し、建設反対が町の総意と確認されてから8年、未だに東北電力は、住民投票などなかったかのように、毎年「建設計画」を発表し、政府もそれを承認しています。
あの住民投票に至るまで、巻町の住民は20余年もの間、それぞれに日々の生活を抱えながら幾重もの山道をたどり続けました。「危険な原発はいらない、自分達の町の将来は、自分達で決めたい」、その思いが人々の心を結び、言葉となって山道をたどる勇気を町の中に生み出してきました。しかし、執筆を重ねるなかで、「町の将来は自分達で決める」というあたりまえのことを実現するために、なんと多くの時間と労力が必要であったことかと、あらためて思いました。
この本のなかで、「上」からのおしつけではなく、そこに暮らす人々による自立の民主主義を求めて、人々がどのように思考し行動したかを、皆さんにお伝えできれば幸いです。そして自立の民主主義を求めるいっそう多くの方々の声と力が未来の平和を築き、たとえばアフガニスタンやイラクの戦火に苦しむ人々の未来を開く
内容説明
本書は、著者たちが見、そして体験した巻原発反対運動の記録である。
目次
第1章 ねらわれた町
第2章 原発のない住みよい巻町をつくる会
第3章 計画凍結
第4章 自主管理の住民投票から条例制定へ
第5章 住民投票へ
第6章 新生への道のり
著者等紹介
桑原正史[クワバラマサシ]
1945年新潟県巻町生まれ。69年より県立高校教員。81年から巻原発計画に反対する住民運動に参加
桑原三恵[クワバラミエ]
1948年新潟市生まれ。70年より県立高校教員。77年から巻町在住。81年から巻原発計画に反対する住民運動に参加
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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