ポアンカレ予想を解いた数学者

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  • サイズ B6判/ページ数 405p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784822283223
  • NDC分類 415.7
  • Cコード C0041

出版社内容情報

新聞一般紙でも取り上げられる、ポアンカレ予想の解決についての数学読み物です。ポアンカレ予想は、位相幾何学で「単連結な3次元閉多様体は3次元球面に同相」というもので、2000年のクレイ研究所の100万ドル懸賞問題にもなっており、これに対してロシアの数学者グリゴリー・ペレルマンが、大筋の肯定的証明を与えました。リチャード・ハミルトンが考案したリッチ・フローという微分幾何の手法を使い、「曲率がわかれば位相がわかる」ことを実証しました。ポアンカレ予想の事実上の解決と認められ、2006年8月の国際数学者会議でペレルマンにフィールズ賞が贈られることになりました。本書では、ポアンカレ予想の解決はペレルマンひとりの業績ではなく、連綿と続く数学研究のなせる業であるという観点から、位相幾何学を歴史的側面から追いながら、平易な語り口でわかりやすく説明し、その流れでポアンカレ予想そのものと解決への旅程を解説しています。新聞一般紙にも報道されたような、ペレルマンが雲隠れしたとか、フィールズ賞を辞退したとか、クレイ研究所の100万ドル懸賞はどうなるかとかの話も盛り込まれ、下世話な話題にも事欠きません。

内容説明

ペレルマンによる解決は、リーマン~ポアンカレ~ミルナー~スメール~サーストン~ハミルトンと連綿と続く数学研究の流れのなせる業だった。2006年8月、フィールズ賞受賞を辞退したペレルマンを、2003年4月のMITでの歴史的講演から追ってきた数学者オシアが描くストーリー。

目次

二〇〇三年四月、ケンブリッジ
地球の形
あり得る世界の形
宇宙の形
ユークリッドの幾何学
非ユークリッド幾何学
リーマンの教授資格取得講演
リーマンの遺産
クラインとポアンカレ
ポアンカレの位相幾何学の論文
ポアンカレ予想が根づくまで
高次元での解決
新ミレニアムを飾る証明
二〇〇六年八月、マドリード

著者等紹介

オシア,ドナル[オシア,ドナル][O’Shea,Donal]
米マウントホリオーク大学の数学科教授。高次元空間における特異点に関する幾何学が専門

糸川洋[イトカワヒロシ]
1949年、東京生まれ。慶応大学卒業後、マニュアルライターなどを経て翻訳家となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

vonnel_g

2
映画「ギフテッド」にミレニアム懸賞問題が登場したので、現在一つだけ解明されているポアンカレ予想に興味がわいて読んでみた。ポアンカレ予想というものがどういうものなのかが話の中心だけれど、それにとどまらず学問とは膨大な先人の学びから現在の視点が得られているという「巨人の肩に乗る」話をわかりやすくまとめてある。今の当たり前は決してずっと当たり前ではなかったのだ。大学を社会人養成機関としか考えられない人は大学で勉強しなかったんだね、とつい思った。2018/03/09

GKO098

1
ユークリッドの原論の一つ目から論理の飛躍がある。ペレルマンが熱方程式を使い出したわけではない。2022/03/22

たもん

1
邦題の「数学者」という単語から誤解しそうになったけど(わざとかな)、ペレルマンに焦点を当てているわけではない。ポアンカレ予想を通してユークリッド幾何から現代幾何学の豊かな分野への発展を語る。地球や宇宙の形を引き合いにした例えは、分かりやすくしてて良いと思うが、まあ、物理的には一周してどこに戻るか、という他にも天体観測とか重力の測定とか色んな手段があるのじゃないかなあ、と思ったり。2013/11/26

Juka

0
「読んで面白い読み物」というよりは「ポアンカレ予想に関連する数学・数学者の歴史」という感じ。最後100ページくらいは参考文献と注釈なのでペース配分に要注意。2013/05/06

かえる

0
数学2010/11/05

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