出版社内容情報
第1回・全10巻(第1~10巻)
【監修】石川友紀(琉球大学教授)
明治・大正期編(1899~1926年)
A5判・上製・函入
本体120,000円
特色
●明治から昭和戦前期にかけての南米移民史をひもとく貴重な資料群を幅広く集成。
●移民研究のみならず、南米史、日本近・現代史、地理学、文化人類学、国際関係論、クロスカルチャー、エスニック等に関心をもつ人にも必読の文献集。
●別巻にあらたに解説・解題を付し、研究の現状と収録文献の資料的価値とを把握できるようにした。
●日本史の表舞台のかげで、幾多の苦難を重ねながら、新たな生活と文化を築いてきた日系移民たちの実情に迫る画期的資料群!!
第1回配本 明治・大正期編
明治32年~大正15年(1899~1926)
収録内容
1水野竜『南米渡航案内』(明治39年・京華堂書店)
2横山源之助『南米渡航案内』(明治41年・成功雑誌社).
3田中誠之助『日本人の新発展地 南米ブラジル』
(大正8年・海外発展社)
4永田稠『南米一巡』(大正10年・日本力行会)
5朝日胤一『邦人発展資料 総南米』(大正10年・南米調査会)
6山岡光太郎『南米と中米の日本人』(大正11年・南米研究会)
7梅田又次郎『南米で職に就くまで』(大正12年・帝国植民協会)
8富田謙一・影山知二『南米ペルー 大統領レギーア秘露と日本』(大正8年・日秘協会)
9高岡熊雄『ブラジル移民研究』(大正14年・宝文館)
10浜田勘太郎『南米実情と移民の告白』(大正14年・海外移民研究会)
刊行のことば
南米日本人移民一〇〇年と文献資料
石川友紀
これまで、南米関係の日系移民文献資料は、北米関係の文献資料に比べて、ブラジルを除けば、刊行数も少なく、入手が困難であった。今回、日本図書センターにより、第二次世界大戦前の『日系移民資料集 南米編』が北米編に引きつづき、復刻出版されることになった。これは時宜を得たもので、移民研究者のみならず、ラテンアメリカ関係者など多くの方々の要望に応えうるものと確信し、広く購読をお勧めしたい。
最近、日本及び日本人移民の研究者も、1991年の日本移民学会創設を契機に、女性研究者を中心に一段と増加し、研究分野も研究対象地域も大きな広がりをみせてきている。同学会において、従来日本出移民現象の研究が大部分を占めていたが、近年は外国人労働者など南米日系人の出稼ぎ、入移民の研究なども増加し、移民研究は活況を呈してきている。この機会に、日系移民文献資料を収集し、日本人移民の歴史を振り返ることは大きな意義があり、重要であると考える。
今年九月アルゼンチンの沖縄県移民九〇周年記念式典において、東洋の諺を引用し、「一年の収穫が欲しければ麦を植えよ、一〇年の収穫が欲しければ木を植えよ、一〇〇年の収穫が欲しければ子供を教育せよ。」との挨拶があった。このことからすれば、移民はまさに海外に人を植えたことに譬えられよう。来年(1999年)は南米に初めて、日本からペルーヘ移民を送り出して一〇〇年目を迎える。海外移民はわが国の人的財産であり、この文献資料を繙くことにより、日本人移民一〇〇年の歴史の重みを今一度思い起してみたい。
推薦します
移民研究のさらなる深化をめざして
戸上宗賢
このたび「日系移民資料集・南米編」が刊行されることになった。前回の「北米編」に続いて今回の「南米編」は移民学会の会員をはじめ多くの研究者が待望して止まなかった資料集である。学会の重鎮である石川友紀教授が精魂傾けて編纂されたものであり、必ずや多くの研究者、とりわけ移民・移住の研究に関わる者にとってこの資料集は、極めて貴重な存在となることは疑い得ない。若い研究者においては特に、この種の資料集は自分の関心対象に向かう場合、正確な事実の把握やその理解の重要性を教えてくれるであろう。ひいてはみずからの研究を深化させることにきっと役立つ筈である。
北米編・南米編を併せると膨大な量になる。それは移民研究にとってかけがえのない研究資料であり、やがてまた北米・南米以外の地域の資料も集められればどんなにかすばらしいことだろう。
移民研究は何といっても資料が大切である。この度の刊行を喜び、本資料集を心から推薦申しあげる次第である。
(龍谷大学教授・日本移民学会会長)
南米への日系移民研究の一層の進展を期待
松下 洋
この度『日系移民資料集・南米編』が北米編に引き続き刊行されるに至ったことは、中南米を研究する者にとって誠に有難いことである。明治期から戦前まで日本の海外移民の約4分の1は中南米向けだったが、北米移民に比べると研究が立ち遅れていることは否めない。それだけに、全30巻を超えるこの膨大な資料集の刊行によって、南米日系移民の研究が飛躍的に進展することが期待される。また、近年は中南米において日本のプレゼンスが経済や外交面でも高まっているが、こうした面での我が国と中南米との関係を歴史的に明らかにする上で、本資料は必見の文献といえよう。移民研究者のみならず、この地域に関心を持たれる多くの方々に広く推奨する次第である。
(神戸大学教授・日本ラテンアメリカ学会前理事長)
刊行予定
日系移民資料集南米編
第2回・全10巻(第11~20巻)
昭和戦前期編Ⅰ(1927~1931年)
A5判・上製・函入
本体120,000円
4‐8205‐2738‐X
1999年3月配本予定
日系移民資料集南米編
第3回・全10巻・別巻1(第21~30巻・別巻)
昭和戦前期編Ⅱ(1932~1943)
A5判・上製・函入
本体140,000円
4‐8205‐2479‐5
1999年9月配本予定
既刊
日系移民資料集南米編北米編
【監修】阪田安雄(大阪学院大学教授)
全18巻・A5判上製・全2回配本
揃本体350,000円
《北米編1》
第1巻・第2巻 <北米移民史>1・2
第3巻・第4巻 <出稼・移住奨励論>1・2
第5巻~第8巻 <渡米案内>1~4
lSBN4‐8205‐5567‐7(北米編1)
揃本体120,000円
《北米編2》
第9巻~第14巻<北米日本人史>1~6
第15巻~第17巻<在米県人史>1~3
第18巻北米編・解説
揃本体230,000円
ISBN4‐8205‐5648‐7(北米編2)