内容説明
習近平が中国の最高指導者であることは、日本にとっても世界にとっても中国や彼自身にとっても悲劇でしかない。軍改革の大失敗、「改革開放」の終焉、経済も政治闘争に、外交音痴で八方塞がり。この5年、彼の実績は何もない!中国当局が恐れる現役記者が、弾圧と外洋拡張しか打つ手がない無能なトップの正体をあぶり出す。
目次
第1章 習近平は2勝3敗1分け
第2章 コンプレックスの暴走
第3章 習近平の「文革」
第4章 繰り返される独裁
第5章 権力と特権の伝統
第6章 習近平は対外拡張し続ける
著者等紹介
矢板明夫[ヤイタアキオ]
産経新聞外信部次長。1972年中国天津市生まれ。15歳のときに日本人残留孤児2世として千葉県に引き揚げ。1997年慶応義塾大学文学部卒業。同年松下政経塾に入塾(第18期)。研究テーマはアジア外交。その後、中国社会科学院日本研究所特別研究員、南開大学非常勤講師などを経て、2002年中国社会科学院大学院博士課程修了後、産経新聞入社。さいたま総局などを経て、07年から産経新聞中国総局(北京)特派員。17年から現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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James Hayashi
27
産経新聞外信部次長。残留孤児であったが15歳の時日本へ。慶大卒、松下政経塾、その後10年を北京特派員として過ごした中国のエキスパート。習近平の1期目は成果がなく2期目に台湾、南シナ海、尖閣を取りに来る可能性があるという。経済では外資、輸出、国内消費、公共投資とも減っている。一帯一路、AIIBを立ち上げたが開店休業状態であり、絵に描いた餅。毛沢東の再来をうたうが、単に「彭麗媛(国民的スター)の夫」とも揶揄される。過去の指導者は求心力を高めるため朝鮮戦争、ベ戦争、台湾挑発や北京五輪。習は何処へ出てくる?続く→2018/01/16
T坊主
7
1.毛思想は自己矛盾が多く体系的にされた理論化された政治思想ではないと専門家。自己保身のための方便に過ぎない。2.高級幹部の特権は中国の伝統。3.文革は中国人にとっては過去の事ではなく、今も進行中。4.アメリカとは今は事を起こしたくない習と商売人上がりのトランプは取引できる状況であるので、裏取引に注意を。5.中国にカモにされている日本。6.トランプのツイッターは米国のメデイア、民主党、判事批判と自分の娘や政策を褒める4つのテーマに絞られていると。7.習の求心力維持のキャンペーンは年代わりで変わる。2018/02/03
田中峰和
7
タイトルの悲劇の中身は、日本など近隣諸国にとっての悲劇であると同時に、彼が権力に居座ることで本人にとっても悲劇となるということらしい。習近平は紅衛兵であると同時に、親が権力を追われた世代。親の復権に伴い、彼らは権力の座を登りつめた。50年前に起きた文革の悲劇と恐怖を知らず、賛美する学生たち。日中戦争時の日本軍の悪事や残虐さはテレビ、映画でしつこいほど描くのに、文革中のことには触れたがらないメディア。尖閣諸島問題を好機と捉え反日に向かわせ、国内では高級幹部の汚職摘発で人民の不満を癒し、習独裁は完成に近づく。2018/01/21
Ryoichi Ito
2
著者は2017年まで10年間産経新聞北京特派員を勤める。日本人残留孤児二世。習近平政権の実像を詳述。日本をカモにして権力を固めようとしている。「中国で長くタブー視されてきた文革を肯定する動きが加速しているようにみえる」…習近平はどうやら毛沢東になりたいらしい。劣等感をもった独裁者ほど危険な存在はない。2018/01/14
都人
0
著者は産経新聞の記者だが、残留日本人の二世として15歳まで中国に住んでいた人。読めば読むほど中国に住んでいる人は大変だなあと思う。2018/03/16