出版社内容情報
日本の大企業では、役員の兼任が多く行われている。グループ企業同士のみならず、縦横無尽の兼任実態を明らかにする。
内容説明
格差社会はこうして再生産されている!何の繋がりもないような会社同士にも、「役員ネットワーク」という目に見えない繋がりがあった!そこでは重役の子どもが、一流会社に就職し、出世して、重役になっていく図式があるのだ。サラリーマンもリクルーターも必見本。
目次
プロローグ 役員ネットワークから何がみえるのか?
第1章 役員兼任を分類する
第2章 企業集団における役員兼任
第3章 地域財界における役員兼任
第4章 血縁的兼任ネットワーク
第5章 出身階層による分析
エピローグ 日本の役員ネットワーク
著者等紹介
菊地浩之[キクチヒロユキ]
1963年北海道札幌市生まれ。1986年國學院大學経済学部経済学科卒業。同年ソフトウェア会社に入社。2005年明治学院大学経済学部非常勤講師を兼務。2006年大手保険代理店に出向。同年國學院大學より経済学博士号を授与(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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hetareguma
3
オーナー会社ではないところで、一サラリーマンが昇進して役員になったように見えても、かなりの割合でいわゆる上流階層の出身であることが多く、また系列を超えて他企業役員と血縁的に役員兼任ネットワークが展開されている現象など、企業グループの枠を超えて、専門経営者が親から子へと「層」として「再生産」されていく様子を分析した一冊。 趣味的な系図閨閥の分析ではなく、ブルデュー的な文化的再生産の視点に拠っています。 社外役員や独立役員がどういう影響を及ぼすのか続編を期待したいです。2012/06/14
とりもり
2
役員ネットワークについて、前半は企業集団における役員兼任を、後半は血縁的役員兼任を考察。興味深いのは何と言っても後半部分。中心は三菱グループにおける役員子息の学歴・就職状況の分析だが、これほど同一グループ内に就職して、その中でも如実な学歴格差が認められるとは…。確かに、「大企業の役員になることが人生の勝ち組」だった時代に、この結論は「日本は平等社会ではない」と言い切れるインパクトがあると思う。経済格差が広がる中、この傾向が縮小することは考え難いが、個人情報保護法施行後の調査は難しいだろうなぁ…。★★★★☆2012/08/05
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