内容説明
第一線の聖書学者・歴史学者・文学研究者による世界に類を見ないイエス研究史。近代聖書学以降のイエス研究の展開を主としつつ古代・中世に留意し、文学者のイエス観も付加。自分のイエスを検証し、深化させるために必読の書。
目次
1 古代と中世におけるイエス(古代キリスト教著作家とイエス;中世宗教劇におけるイエス伝)
2 近・現代の聖書学におけるイエス(聖書学の黎明期のイエス研究―H・S・ライマールスからW・ヴレーデまで;E・ルナンからA・シュヴァイツァーまでのイエス研究;宗教史学派のイエス像;様式史学派のイエス研究;ブルトマンとその弟子たちの論争―「史的イエス」とケーリュグマの関係をめぐって;ブルトマンの対抗者たちのイエス研究 ほか)
3 文学におけるイエス(現代日本のキリスト教徒作家のイエス像―椎名麟三、遠藤周作、小川国夫の場合;ドストエフスキイにおけるイエス像―『カラマーゾフの兄弟』に即して)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いとう・しんご
4
松木さんの本を見て借りてきました。古代における史的イエス追求の放棄から出発して、啓蒙主義以降、史的イエス把握の不可能性がだんだんと確立してくるのに、なお、文学的想像力に訴えたり、社会学的推論を参照したりして、どこまでも諦めきれない神学者の泥沼の苦闘ぶり。10章のバチカンの権謀術数は面白かったけど、それ以外は延々と同じような話の繰り返しで、読メに登録することだけを目標に歯を食いしばって読み終えました。思えばパウロだって史的イエスの言行にはほとんど感心が無かったんだよなぁ・・・2022/02/03
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- 和書
- 闘争のエチカ 河出文庫