内容説明
いまも、ヨーロッパの人びとの心と生活に生き続けるクリスマス。著者のオリジナル訳による詩や物語の紹介をはじめ、クリスマスを飾る様々な習慣、また人との出会いを、心安らぐ筆致で綴る。
目次
1 光乏しい地にも(クリスマスの歌;樅の木;陽光乏しいヨーロッパ ほか)
2 降誕節(三人の学者たち;ベツレヘムの星;クリッペ(聖誕のうまごや) ほか)
3 物語
感想・レビュー
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ヴェネツィア
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ドイツ文学の小塩節の文章に、写真は小林恵のもの。小塩のクリスマスに纏わるエッセイと、リルケ他の詩、そしてこれもクリスマス関連の3つの短篇小説とからなる。ルター夫妻のエピソードに始まる小塩のエッセイは実に手慣れたもの。しかも、ヨーロッパ(主には小塩に旧知の北部)のクリスマス風俗や、聖夜前後の行事の意義が巧みに解説されてゆく。小塩はおそらくはクリスチャンだろう。実に喜びを持って語られており、好感が持てる。一方の写真は(知らない写真家だが)いいものもないことはないが、全体には素人っぽさが目立ち、やや残念。2017/12/10




