内容説明
62歳の漫画家が描く、認知症の母との可笑しくも切ない日々。
目次
1章 ちゃぶ台のある家
2章 母、ひと回り
3章 母、少女になる
4章 父、来る
5章 父母の旅
エッセイ
刊行に寄せて「生きる切なさ」(詩人・伊藤比呂美)
1 ~ 1件/全1件
- 評価
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たあちの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
海猫
321
映画からさかのぼって原作へ。まず丸みのある温かみのある絵が良く素朴なユーモアに可笑しみがある。ところどころハッとする場面が多々あり漫画力の高さを感じた。バックボーンにある過去の話に厚みがあるのだが重みにはなっていず、しみじみと染みてくる。映画では比較的少なかった生前の父親の行動がたくさんあり、爆笑ものでその意味でも漫画を読んで良かった。あと散発的なエピソードの積み重ねであるこの本を上手く抽出して一本の作品として仕上げた映画も良い仕事をしていたことがわかって感心。続きが読んでみたい漫画作品。2014/08/02
しゅわ
249
【図書館】何の予備知識もなく、ただなんとなく表紙に惹かれ手にとってみました。もう若くもない漫画家である著者が施設に暮らす認知症の母との日々を綴ったコミックエッセイです。かわいらしい、でも力強いあじのある絵と大変な状況なのに受け止めて笑い飛ばしている…とてもあたたかい一冊です。お母様の痴呆を「人生の重荷を下したかのように」と表現する「柔軟さ」と「強さ」に感心しました。私も祖父の痴呆を経験し、忘れられる辛さや介護の大変さ、そして家族への負担の大きさに押しつぶされそうになっていました。あの時、読みたかったです。2013/09/08
mitei
239
認知症の母とのやり取りが面白くもあり、感動もする。2013/02/04
ちはや@灯れ松明の火
215
忘れてしまうことは不幸せなことなのか。娘から姉へ、妻へ、母へ、祖母へと立場を変えながら、積み重ねてきた日々の重みで少しずつ小さくなってきた身体。そこからぽろぽろとこぼれ落ちていく記憶。嬉しかったことも、辛かったことも、手放してしまえばこんなにも身軽だ。忘れていくことはかわいそうなことなのか。幼子と同じように笑い、少女みたいにはしゃぐ、境界線を消した時間の中、母は亡き夫と連れ立ってのんびり旅をする。ただ、忘れられてしまうのは少しかなしいから、母が迷子にならないように、このハゲ頭がサーチライトになればいい。 2014/02/12
nobby
162
映画を幾度と泣きながら観ている自分には、何箇所と耳に流れる一青窈『霞道』♬ありがと ありがと♬︎でまた涙が頬をつたう…「忘れること、ボケることは悪いことばかりじゃない」「認知症になってから父ちゃんが訪ねて来るようになった」苦しさや様々な葛藤抱えながらも、こんな風に優しく見守る雄一さん故に起こる笑いに違いない…何より嬉しかったのは映画が素晴らしく原作の魅力を引き出していたこと!マンガに描かれるみつえさんと赤木春恵さんとのシンクロ具合は完璧だ(笑)そしてまた僕は“認知症”講義の際には映像を引用し続けていこう♪2019/01/23
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