内容説明
「大逆罪」により死刑判決、恩赦によって減刑されるが獄中にて縊死。22歳。文子が87年後の私たちにつたえようとするものは何か。手記「何が私をこうさせたか」を全文収録。
目次
何が私をこうさせたか
調書
獄中歌集
著者等紹介
鈴木裕子[スズキユウコ]
1949年東京生まれ。早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。元早稲田大学教員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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よしじ乃輔
13
皇太子暗殺計画を自白したとして死刑判決を受け獄中で23歳で縊死した金子文子。薄幸という言葉では甘すぎるほどの貧困。父母から捨てられ、食事はおろか人間として認められなかったような生活を17歳で上京後も続く。教育を渇望しただ人として生きたかった自伝。「すべての人間は人間であるという、ただ一つの資格によって平等である」という信念を国へ向けた尋問調書も読む価値が非常にありました。あまりにも両親親戚が酷すぎらように思うが当時はこういうものだったのだろうか。2025/03/05
jamko
10
手記『何が私をこうさせたか』のほか調書や獄中で詠んだ歌、年譜などが収録されてる。獄中歌がとても良くて、『金子文子と朴烈』のラストの方の文子のセリフで心に残ってるものがあるのだけど、あれはこの歌が元になってるのか!と気付いて胸熱。調書も読み応えあり。裁判長に宛てた書簡の最後、映画でもチェ・ヒソが堂々と言い放った言葉が、真摯でロマンティックで想像してしみじみ泣けるのだ。2019/02/21
リラッママ0523
4
『両手にトカレフ』を読んで、こちらの本を読みたくなりました。2022/09/24