出版社内容情報
浸透するアヘン、社会問題の出現──。グローバル経済の拡大期、海域アジアで始まったアヘンの取引は、地域と世界に何をもたらしたのか。現地人や華人・西洋人が参加する生産・流通から、新たな消費形態の登場、植民地統治の本格化と結びついた当局による規制まで、アヘン戦争以前のドラッグ経済を初めてトータルに描いた意欲作。
【目次】
凡 例
序 章 アヘンから見える近世世界と海域アジア
1 ドラッグがもたらした近世の変容 -- 問題の所在と検討対象
2 オランダ東インド会社によるアヘン貿易 -- 歴史的背景と研究史
3 分析課題の設定と研究の意義
4 主な史料と本書の構成
第Ⅰ部 貿易独占体制と商品連鎖,商業利権
第1章 アヘン貿易独占体制の形成と商品連鎖
-- アヘンの生産と貿易(17世紀後半~18世紀半ば)
はじめに
1 マレー・インドネシア諸島におけるアヘン貿易独占体制
2 ビハール地方のケシ畑からバタヴィアの競売まで
おわりに
第2章 アヘン貿易独占体制下の流通と「密貿易」
-- 担い手とネットワーク(17世紀後半~18世紀半ば)
はじめに
1 バタヴィアの卸売商人
2 流通と「密貿易」
おわりに
第3章 バタヴィアにおけるアヘン特権の創出
-- バタヴィア政庁とアヘン貿易協会(18世紀中葉)
はじめに
1 アヘン貿易協会の設立 -- アジア域内貿易改革と「密貿易」対策
2 協会の出資者と利益
3 協会の特許更新をめぐる意思決定と利害の相克
おわりに
第4章 アヘン貿易存続をめぐるバタヴィアの商業と利害
-- 海域アジアでのアヘン貿易競争と政庁の施策(18世紀後半)
はじめに
1 1760 年代以降のアヘン貿易競争とバタヴィア
2 バタヴィアの商業におけるアヘン貿易利害の構造
3 アヘン貿易協会解体とアヘン局設立 -- 17人会と政庁の利害調整
おわりに
第Ⅱ部 消費と規制,植民地化の進展
第5章 マレー・インドネシア諸島におけるアヘン消費の浸透
-- 消費文化と社会的葛藤(17世紀半ば~18世紀半ば)
はじめに
1 アヘン消費の諸形態
2 アヘンをめぐる社会的葛藤
おわりに
第6章 バタヴィアにおけるアヘン消費
-- マダット規制と植民地社会(17世紀半ば~18世紀半ば)
はじめに
1 マダット規制の始まり(1671年)
2 マダット消費の普及と規制の強化
3 マダット規制の緩和(1746年)
4 規制緩和の背景
おわりに
第7章 バタヴィア周辺部における「アヘン窟」管理の制度化
-- 政庁による治安
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