出版社内容情報
ノアの洪水からキエフ公国の成立まで、最も輝けるロシア世界を神話や聖者伝、フォークロア等を集成して描いたロシア最大の古典の完全訳。わが国の古事記にも比すべき叙事文学の傑作にして一級の歴史文献である。多数の挿絵と詳細な訳注。
目次
スラヴ民族のおこり
ルシの起源
オレグの治世
イゴリの治世
スヴャトスラフの治世
ヤロポルクの治世
ヴラヂミルの治世
スヴャトポルクの治世
ヤロスラフの治世
イジャスラフの治世
フセヴォロドの治世
スヴャトポルクの治世
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
momen
1
ロシアの国家事業による年代記。ロシア版古事記や日本書紀みたいな雰囲気で、様々な古写本等を編集し国の成り立ちや小国の変遷を纏めている。キリスト教布教政策が一番のテーマなのか、神の加護によった戦争・聖書解説や説話・神の功徳や異教徒攻撃などキリスト教周りの話がメイン。土着の神話や宗教の話はほぼなくちょっと残念。戦後の講和条約の内容が詳細に明記されている部分は当時の政治を垣間見れて興味深い。注釈が本文とほぼ同ページの大ボリュームで、地名・人名・武器・民間信仰など細かな情報まで概説している。系図、図版、地図も充実。2025/03/06