内容説明
国王の臣民でしかなかったイタリアの民衆が、議会制民主主義と近代産業国家へと踏み出し、二度の世界大戦や内戦、冷戦などを乗り越えて、国民となり市民となっていく曲折に満ちた道程を、密度濃く描く。複雑で魅力あふれる現代イタリアを理解する最良の一冊。
目次
第1部 自由主義イタリア(ジョリッティ時代(一九〇〇‐一三年)
世界大戦(一九一四‐一八年)
自由主義国家の崩壊(一九一九‐二二年))
第2部 ファシスト・イタリア(独裁判の誕生(一九二二‐二九年)
全体主義国家(一九二九‐三九年)
第二次世界大戦(一九三九‐四五年))
第3部 イタリア共和国(再建期(一九四五‐五三年)
大変動の時代(一九五三‐六八年)
鉛の時代(一九六八‐八〇年)
世紀末の危機(一九八〇‐二〇〇〇年))
著者等紹介
村上信一郎[ムラカミシンイチロウ]
1948年生まれ。神戸大学大学院法学研究科博士課程修了。中部大学国際関係学部助教授などを経て、神戸市外国語大学教授
橋本勝雄[ハシモトカツオ]
1967年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。名古屋芸術大学専任講師などを経て現在、京都外国語大学専任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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カルーアミルク選帝侯
2
歴史家コラリーツィの大著の邦訳。複雑なイタリア現代史の詳しい通史というだけで貴重で有り難い。 20世紀初頭の「未完成なイタリア国民」、絶望的な南北格差と貧困、そこから共産主義とファシストという当時のリアルな選択肢、最初は参加するのさえ拒否していた政局に躊躇いがちに介入し台風の目となったカトリック。これらの事情が複雑に絡み合う過程がよくわかった。 また、「鉛の時代」についてグラディオ計画やP2についての事実確認が出来て良かった。 難解だったがわかりやすい。ただし文章からは出来事の時系列がわかりづらい。 2024/07/30
シベリア研修所
1
1900年から1999年までのイタリアについて日本語で読める数少ない概説書。サヴォイア王家、カトリック教会、共産主義者、社会主義者、ファシスト(およびネオ・ファシスト)等々の勢力が複雑に絡み合いながら動く描写は非常にダイナミック。現代でも深刻な南部と北部の格差、財界との癒着がもたらした汚職や腐敗といった問題は現在のイタリアが抱える問題を考える上でも重要だと思われる。外交史の記述が少ないが流石に求めすぎか。なかなかに読み応えのある一冊。2013/03/11




