出版社内容情報
【内容】
大王が征服した広大な地域に流布した伝承を、宗教・政治・歴史の分野にわたって、アラブ・ペルシアの多様なテクストにたどり、語りや図像の担い手たちが求めた「真実」に迫る。アレクサンドロスが内包する本質と、古代世界の遺産を受けいれ再解釈していくムスリムの精神史をみごとに浮かび上がらせた力作。
【目次】
序 章 歴史と虚構の狭間のアレクサンドロス
Ⅰ アレクサンドロスに関する知識の源
――古代世界からイスラーム世界へ――
第1章 偽カッリステネスのアレクサンドロス物語
第2章 ギリシア・ローマ古典史料におけるアリストテレスとアレクサンドロス
第3章 イスラーム以前のイランにおけるアレクサンドロス
II 預言者アレクサンドロス
第1章 「二本角のアレクサンドロス」
第2章 イスラーム世界におけるアレクサンドロスの神聖化
III 哲人王アレクサンドロス
第1章 「君主の鑑」文学におけるアレクサンドロス
第2章 アダブからヒクマへ
IV 歴史叙述の中のアレクサンドロス
第1章 初期のアラブ歴史学――ハディースの時代
第2章 非アラブの貢献――ペルシア、ビザンツの遺産
第3章 万国史の登場――ハディースからの解放
第4章 権力の地方分散と歴史――東方イスラーム世界を中心に
終 章 超越と限界を体現する男
【受賞紹介】
第15回「日本比較文学会学会賞」
第9回「島田謹二記念学藝賞」
第7回 (平成22年度) 「日本学術振興会賞」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Go Extreme
1
多様なアレクサンドロス像 預言者、君主模範、歴史人物、物語英雄 古代からイスラーム世界への三系統 アリストテレスとの虚構書簡 賢王と助言者の定型テーマ原点 東方の驚異を記す奇異談 クルアーンの二本角との同一視 神の力を象徴する二本角 アッラーの地上権能の体現者 ニザーミー叙事詩の預言者像 生命の水を得られぬ運命 アヴェスター破壊者の側面 預言者と悪玉の伝承共存 強さと弱さの両極性 君主鑑における統治理想 学者と征服王の古代トポス アレクサンドリア建設伝承 海中怪物と偶像伝説 半イラン化された特異存在2025/05/07
takao
1
ふむ2025/04/07
古村
0
アレキサンダー大王2017/04/28
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