内容説明
魚は、学ぶ。どうする釣り人。釣り人に人気のタイ、大きな群れで泳ぐアジ、水槽の底に潜むヒラメ、人を見て寄ってくるキンギョ。彼らはいったい何を考え、どんな原理で行動しているのか?魚類心理学に飛び込んだ著者による、追って、釣っての奔走記。
目次
1章 アジと始める学習実験
2章 アジの心変わり
3章 見て学ぶ魚たち
4章 温室育ちの鍛え方
5章 釣られてたまるか
6章 綺麗好きなハゼ
7章 学習を魚に学ぶ
著者等紹介
高橋宏司[タカハシコウジ]
カナダで生まれたのち神奈川県三浦半島で魚と遊びながら育つ。東京水産大学(現東京海洋大学)に進学後、京都大学大学院舞鶴水産実験所に移り、魚と遊びながら学ぶ。学位取得後は同実験所の研究員としてアサリや環境DNAの研究にも関わる。その後、長崎大学水産・環境科学総合研究科、慶應義塾大学法学部生物学教室、京都大学フィールド科学研究教育センターと転々とし、2023年より新潟大学自然科学系・創生学部で働く。魚類を中心とした生物の心理・認知について、行動生態学や動物心理学、水産学に絡めて研究を進めているが、いずれの研究分野も専門家ではなく、専門は魚類心理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぽけっとももんが
10
やっぱりね、お魚たちは海の中で見てますよ、他のお魚が釣られているのを。だから釣れないんだよ、しかたないんだよ。わたしたちが思うよりずっと彼らは学習する。紹介されている研究どれもおもしろいけれども、金魚に輪くぐりを教える実験がいい。やってみたいと思う。実際高校生がやってみて、そこからどんどん発展していったようだし。どのくらい覚えていられるのかとか、一気にたくさん練習するのと毎日少しずつとどっちが効果的なのかとか、おばちゃんの頭の中でも疑問が湧いてきますよ。動画も見られて楽しい。2024/10/08
Go Extreme
1
アジと始める学習実験: 魚の心理学者が生まれるまで 学習と アジを求めてクラゲと泳ぐ 成長すると賢くなるアジ アジの心変わり: アジにリベンジ 大きいから賢いのではない とりあえずやってみよう精神 見て学ぶ魚たち: 観察して学習する School for Learning 温室育ちの鍛え方: 魚の心理学は役に立つのか 世間知らずの放流魚 育ちがつくる魚心 釣られてたまるか: 釣り人たちは妄想する 一度釣られた魚は学習する 魚は仕掛けを見極める 釣り人と魚の駆け引き 綺麗好きなハゼ 学習を魚に学ぶ:2024/07/31
よしあ
0
素人にも分かりやすく書かれていて、興味深く読んだ。定義としての学習とは?の例えに、苦労して実験する→発表→達成感→次への意欲!と自身の体験が条件付けとして書かれていて、ユーモアか。 最後の金魚のサッカー、二匹がちゃんと競っていて凄い(動画見ました)。実際、魚って人慣れするよね。2025/04/14