内容説明
高校家庭科が男女共修になった年、僕は40代にして女子大に通い、化学教師から家庭科教師になった―。
目次
科学の世界にあこがれて
第1章 走る、走る、新人教師―化学教師の時代(新任教師の一年目;働きだした妻;悪戦苦闘の家事・育児)
第2章 生活科学のほうへ―化学から家庭科へシフトチェンジ(科学への懐疑;生活科学という視点;家庭科は女の世界?;家庭科の門をたたく)
第3章 家庭科の教師になる―人と依と食と世界(家庭科デビュー;糸つむぎの授業;忘れられない大失敗;車イスのT君と;花も実もある調理実習)
第4章 フェンスを越えて―生きるための家庭科(知識の世界と知恵の世界;いま、家庭科で学ぶこと;家族ってなんだろう?;ライフデザインとしての家庭科)
著者等紹介
小平陽一[コダイラヨウイチ]
1950年、栃木県生まれ。元高校家庭科教員、理科教員。東京理科大学理学部を卒業後、化学工業会社、武蔵大学根津化学研究所を経て、1976年に埼玉県立高校の教員として採用される。化学教師として18年間つとめたのち、家庭科の教員免許を取得。男女共修となった高校家庭科を16年間教えてきた。現在は立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科で学びながら、執筆や家庭科教育の研究会、野菜作りなどにたずさわる。2013年度日本女性学習財団賞大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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ぽけっとももんが
7
若くて元気いっぱいの男性家庭科教師、かと思ったら、著者はわたしより一回り以上年上の、まさに元祖イクメンだった。まだ育休が整備されておらず、男性の家事参加が一般的でなかった時代に、働く妻に代わって保育園の送迎や買い物をしていた。家庭科は「家を守る女性のためだけもの」ではなく、生きるために身に付けるべきスキルであり、化学や社会など多岐にわたる学問を含む知識を得るためのものである。多様な家族形態があり、個人の生活や生き方はそれぞれ尊重されるべき。そんな家庭科なら、さぞ楽しいだろう。2016/04/17
梅山宇登
0
筆者は1950年生まれです。この世代はまだまだ性別役割分担意識が強いと思います(実際筆者より8つ下の私の父においても、若い成人女性のことを「女の子」と言ったりする)。 しかし筆者は同世代や上司に色眼鏡で見られながらも、今以上に「女の世界」である家庭科教育の道に踏み入れました。平成生まれの私から見ても大変な勇気が要る行為ですね。筆者に最高の敬意を表明したいところです。 2022/11/19
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