「東洋的専制主義」論の今日性―還ってきたウィットフォーゲル

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「東洋的専制主義」論の今日性―還ってきたウィットフォーゲル

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  • サイズ B6判/ページ数 352p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784794807410
  • NDC分類 313.6
  • Cコード C0036

出版社内容情報

ロシア、中国、北朝鮮はわが国に近接・影響するところが多い国であるが、知識人学者の研究姿勢は事なかれの及び腰がなお一般的なようだ。もはや社会主義と美化するツワモノはいなくなったが、この用語との関係をきっぱり切断する勇気はないようである。
この問題に対して整然と理論的に東洋的専制主義を唱え分析したのはK・A・ウィットフォーゲルであった。しかし日本のみならず世界の知識人学者の反応は批判というより罵倒で、これによって彼は乱暴に学界から追放されたのである。
もともと彼は第二次中国革命とその背景を専門とする綿密な解説者で、そのほとんどがわが国に紹介され広く知られていたが、その翻訳者の平野義太郎は一瞬にして攻撃者となり、そのスターリン主義的な偽造と中傷に知識人社会は追従して、半世紀もウィットフォーゲルの仕事を封印してしまったのである。
ようやく一九八九年以降のソ連圏崩壊以後、主著『オリエンタル・デスポティズム』が読まれるようになり、ウルメンの詳細な伝記も出版されるようになった。
しかも今日、ロシア、中国、北朝鮮の現実は単に研究者の対象ではすまなくなり、マスコミを通じて一般人も注目理解しなければならなくなった。ロシアはプーチンのもと資源を武器とした世界征服の野望を誇示している。中国の酸鼻な現代史は金儲けのネオンサインで見えにくくなっているが、自国民のみならず地球環境を危うくしている。傍若無人の金王朝は東洋的専制論のイラストそのもの。
 ウィットフォーゲルの仕事は、さらに広く文明の相互関係を中心・周辺・亜周辺の三重構造にまで突きつめ、東アジアの大陸・半島・列島間の応酬を解く鍵をも提供しているのである。(ゆあさ・たけお 文明史)

内容説明

東アジア問題の過去‐現在‐未来を根底から捉える広大な視野とその学問的良心の源泉に学ぶ。大陸・半島・列島の応酬を解く鍵、『資本論』に対応する「権力論」、『オリエンタル・デスポティズム』再読のすすめ。

目次

第1章 今なぜウィットフォーゲルなのか?(ウィットフォーゲルに対する歪曲・中傷;ウィットフォーゲル再評価の契機)
第2章 ウィットフォーゲル理論の到達点(風土と文明;文明の類型;単一中心性と多数中心性)
第3章 ウィットフォーゲルの学問の展開(1)―『中国の経済と社会』まで(青年時代;ドイツ共産党員として;歴史像とマックス・ウェーバー;ドイツ共産党の転換と中国革命;「アジア的生産様式」)
第4章 ウィットフォーゲルの学問の展開(2)―『オリエンタル・デスポティズム』まで(共産党の拘束衣のなかで;ファシズムとの闘い;アメリカに定住;共産党との決別と研究の進展;ロシアとスターリニズム;ロシアへのアプローチ;激浪のなかでの理論的確立)
第5章 ウィットフォーゲル理論の残したもの(梅棹とラティモア;イデオロギーの役割)

著者等紹介

湯浅赳男[ユアサタケオ]
1930年、山口県生まれ。文学青年。サラリーマン時代、1956年のハンガリー事件で感動し、歴史学を志す。フランス革命研究で学問的登攀訓練を行ったのち、ロシア革命の真相解明をめざし、その勝利が国内戦によるものであることを明らかにした『革命の軍隊』(1968、三一書房)を処女出版。新潟大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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