内容説明
本書は「祝祭の100年」をテーマとした論集である。事典的に項目を説明した100年の推移の解説書ではなく、日本の生活文化のなかで日常生活をリズムづけてきた非日常である「祭り」の共同研究を、古い開始年代をもつ祭りから、最近生み出されたばかりの祭りまで、その推移を念頭にいれて、比較考察した。
目次
第1部 歴史性と祈りを基礎とする祭り(都市祭礼と地域社会の活性化―半田市の山車まつりを例として;都市祭礼の生成と伝承―伊勢という都市社会を生きるための「つながり」;見せる祭りを目指す実践の誕生―遠州「森の祭り」における花火の打ち上げをめぐって;視線の力―都市祭礼・小倉祇園太鼓からみた新たな紐帯;沖縄における尾類馬行列の歴史社会学的考察―「都市祝祭とセクシュアリティ」研究に向けて)
第2部 変化と騒動のなかの祭り(変化しつづける都市祝祭―高知「よさこい祭り」;祝祭の受容と展開―「YOSAKOIソーラン祭り」;青森ねぶたとカラスハネト;都市祝祭論の転回―「合衆型」都市祝祭再考)
第3部 個人化社会の祭り原理と未来の祭り(巡礼という個人的な祝祭―都市の巡礼模様;祭りの創造―よさこいネットワークを考える;現代の都市空間におけるメディアと祝祭;神戸アジアタウンのケガレとハレ)