出版社内容情報
呪いは今なお存在する。さまざまな実例をもとに、現代科学の枠組みを超えるその効力を、民俗学、心理学、トランスパーソナルの視点から多角的に分析。まったく新しい「魂の心理学」を提唱する。
内容説明
さまざまな実例をもとに、現代科学の枠組みを超えるその効力を、民俗学、心理学、トランスパーソナルの視点から多角的に分析。まったく新しい「魂の心理学」を提唱する。
目次
第1章 四国魔界フィールドワーク(「魔界」四国に住む;四国の呪術師 ほか)
第2章 呪術の歴史(呪術の起源;神道と仏教の出会い ほか)
第3章 シャーマンの危機(霊性とは何か;宗教的な現象と民衆文化―新霊性運動の広がり ほか)
第4章 呪いの構造―超心理学の視点から(超常的な意識の働き;心の力―超能力と霊能力 ほか)
第5章 呪いから癒しへ(科学と宗教の結婚;物理学者の考える「心」 ほか)
著者等紹介
中村雅彦[ナカムラマサヒコ]
1958年兵庫県生まれ。名古屋大学大学院教育学研究科博士課程修了。教育心理学博士。現在は愛媛大学教育学部教授。社会心理学、トランスパーソナル心理学を専攻とする心理学者であると同時に、奥四国にある龍王神社で権訓導の資格を取得した神職でもある。現在取り組んでいるテーマは、呪術的実践と神道的世界観の心理学的研究
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
林 一歩
12
Fieldworkの参考書。イマイチ。2012/08/16
ヨミナガラ
11
“これが集団PK、あるいは意識場効果と呼ばれる考え方である。アメリカの超心理学者ラディンは、集団レベルの意識の集中によって物質の状態が変化することを実験で確かめている。〔…〕実験の結果、アトランタ・オリンピックの開会式を実況中継しているTV受像器のそばに置かれた乱数発生装置の信号発生の無作為性は、オリンピック開会式の中盤から急激に崩壊し始め、偶然を上回る信号発生の偏りを生じた。〔…〕オリンピックに注意を向けた人々の集合的な意識が、ミクロレベルの念力となって現われたことを意味していると考えられた。”2014/06/02
mittsko
3
著者は1958年生れの、大学教員の心理学者(とくにトランスパーソナル心理学、超心理学、旧・心霊研究)、そして宮司。45歳時刊行の本書は、四国の拝み屋の世界に自ら参与し、その成果を超心理学で解説する。アカデミズムの本流では決してないが、貴重な仕事ではある ※ 実話怪談に多く触れていると、体験者の体験性にとどまらないのではないか、と思われる事例に出会う。怪談師はそれを無視するか、穏当な枠組みに入れ込んで済ませる。しかし、本書著者のような方は、そこに「ガチ」で踏み込み、スピリチュアルの世界に人生をおく2023/08/25
emi
3
心理学講師を経て宮司でもある著者が、四国の拝み屋の話を中心に、生身の人の呪いを心理、宗教学などあらゆる角度で書いた本。軽いスピリチュアル本とは違い興味深かった。オカルト好きではないが、人の念や恨む気持ちは存在すると思うし、西洋医学がない中、人の呪いで病がという事も昔はあったかと思う。祈祷師は今も存在し、その力を否定する気はないが、私もカウンセリング的な存在でもあると思っている。敵対する者を呪い、時にブーメランで戻るには苦笑。結局はカルト化し、信じる者は救われる世界になる宗教的な存在もあるということ。2014/04/17
ゲニウスロキ皇子
3
四国の拝み屋の事例集としては面白く読めたが、理論的な考察は正直ブッ飛んでいてついていけなくなった。一般的なアカデミズムの揺籃で育った私には、「超越心理学」や拡張する意識といった単語、及び量子力学を持ち出す著者の態度がエキセントリックに見えすぎたといえる。個人的には、拝み屋が自らの霊性に気づく過程を丁寧に記述したライフヒストリー研究なら、もっと興味深く読めたのかもしれないと感じた。いずれにせよ、年末の良いお供になりました。2013/12/30
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