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内容説明
小村雪岱は、大正から昭和の戦前期にかけて、装幀、挿絵、舞台美術など、多彩な分野で名を馳せた美術家です。本書では、雪岱の仕事に共通する天性の魅力を「意匠」ととらえ、その才能を最も開花させた装幀と挿絵の世界を中心に紹介します。
目次
1 鏡花本の世界
2 ふたりの女おせんとお傳
3 装幀の仕事
4 挿絵の仕事
5 雪岱のわすれがたみ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒロミ
49
セッタイ(字が出ない)と言えば美麗な鏡花本の装丁で著名だが、個人的には線の達人だと思う。墨で引かれた線が本当に素晴らしい。数々手がけた装丁本も大胆なデザインセンスと構図・線の美しさがあってこそだと思う。永久保存版。2017/04/09
yn1951jp
34
日本の『本』の美を改めて知る!今からちょうど100年前大正3年、小村雪岱の出世作『日本橋』(泉鏡花)が出版された。鏡花にあこがれた雪岱の東京美術学校の卒業制作は『春昼』。二人の運命的邂逅。雪岱の装幀、浮世絵木版師大倉藤太ら職人技が『鏡花本』を生み出した。絹、布、和紙などに木版摺、雲母摺、金箔押、天金、高度な技で贅を尽くす。隅田川沿の河岸蔵、吉原の鉄漿(おはぐろ)どぶに佇む遊女、夜雨の路地裏屋台、光沢を放つ蝶、繊細な秋草。まさに鏡花の世界を視覚化した美術作品。これを手にとって読書する至福を味わってみたい。2014/12/22
どぶねずみ
32
小村雪岱とは、昭和初期に活躍した絵描きであり、主に泉鏡花の挿絵画家だった人だ。雪岱という画号も泉鏡花から授かり、泉鏡花なしには語れない。ちょうど今、三井記念美術館で雪岱展が催されているが、コロナ禍で開館時間が中途半端。行かれるかわからないけど、一応予習のつもりで借りてみた。風景画は広重の描いたものとどこか雰囲気が似ている気がして、柔らかい絵に一目惚れをした。できれば何が雪岱グッズが欲しいなぁ。2021/02/23
tama
12
図書館本 この本をどこで知ったのかもう覚えてないが「意匠」という言葉で借りた。「写生、写実には興味がない」「個性のない・・・能面の持つ力に似たものを希っている」雪岱自身の言葉ですが、とは言えそれが当てはまるのは主人公らしい美人・二枚目。脇役やらその他大勢にはかえって強い個性が湧き出して見えた。泉鏡花選集の裏見返しの驟雨の街角はいいなぁ!モノトーンの中に、軒下に避難した二八蕎麦屋の屋台の行灯と、家並みの障子の一つに写る「紅色」。脇役たちでは「おせん」のp61風呂屋でお喋りする男たち、p65傘の群れが好きだ~2016/03/07
kikupika
4
大正から昭和初期に、新聞小説や雑誌の挿絵、泉鏡花の装幀家、舞台美術家として活躍された小村雪岱。最近とても人気で、日本橋と日比谷で特別展をやっていたので、両方ともみてきました。その復習です。何だかとにかくセンスがいいのです。もちろん日本画の基礎があるのはそうなんですが。古びない繊細さとでもいうか…。大正時代に資生堂がデザイン部門に彼を入れて、花椿の表紙や香水瓶をデザインさせたのはさすが見る目があったと言うべきなのだろうな〜。2021/02/20
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