PHPサイエンス・ワールド新書<br> 細胞が自分を食べるオートファジーの謎

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PHPサイエンス・ワールド新書
細胞が自分を食べるオートファジーの謎

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  • サイズ 新書判/ページ数 215p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784569800714
  • NDC分類 463.6
  • Cコード C0245

出版社内容情報

細胞の中でも日常的に掃除をしていた! 近年、わかってきた細胞内のリサイクルの仕組みと、成長と老化、がんや病気の関わりを解説。

【著者紹介】
東京医科歯科大学教授

内容説明

私たちの体を構成する細胞の中で、日々、劇的な変化が起きていることが分かった。体の栄養となるタンパク質で言えば、食事でとる3倍の量を毎日、分解しては新しく合成している。この細胞内の主な分解方法が、いま注目のオートファジーである。オートファジーは、細胞内を掃除し、中身を入れ替えるリサイクルの働きをしていたのだ。従来の生命観を大きく変える、オートファジーのホットな話題を提供する。

目次

第1章 オートファジー、細胞内の大規模分解系
第2章 酵母でブレークしたオートファジー研究
第3章 自分を食べて飢餓に耐える
第4章 細胞の性質を変えるためのオートファジー、発生と分化
第5章 細胞内を浄化するオートファジー
第6章 相手をねらいうちする「選択的オートファジー」
第7章 免疫系でも活躍するオートファジー
第8章 オートファジーの研究最前線

著者等紹介

水島昇[ミズシマノボル]
1966年東京都生まれ。武蔵高等学校卒業。東京医科歯科大学医学部卒業。同大学大学院博士課程修了。基礎生物学研究所(岡崎市)にて大隅良典教授の下でオートファジーの研究を開始、東京都臨床医学総合研究所副参事研究員などを経て、東京医科歯科大学教授。酵母から哺乳類へとオートファジーの研究を展開している。2008年度日本学術振興会賞、2009年度井上学術賞、2010年度日本生化学会柿内三郎記念賞、2011年度武田医学賞などを受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

keroppi

71
YouTubeで「オートファジー」なる言葉を耳にして、読んでみる気になった。細胞内で起こっている自分で自分を食べるという現象。それは飢餓状態で起こり、アミノ酸を作り出したり、細胞を綺麗にしたりする。細胞内の不良ミトコンドリアやゴミや細菌を食べたりする。専門的で理解出来ないところもあるが、生命の神秘に触れたような気がする。この研究が様々な病気の解決に繋がりそうだ。食べ過ぎは良くないらしい。2020/11/08

C-biscuit

21
kindleアンリミテッドで読む。大隅良典名誉教授がノーベル賞を受賞した。素晴らしいことである。この本は受賞の研究成果であるオートファジーについて書かれた本であり、世界初の一般書のようである。大隅氏が書いたわけではないが、弟子のような方が書いているので、大隅氏の成果がいたるところに出てくる。少し古い本なのであるが、当時も論文の本数が年間400本を超えたとのことがあった。現在は5000本となっており盛んに研究されているのがわかる。今後大隅氏の話も含め、もっとわかりやすい本が出るとも思われるので読んでみたい。2016/10/04

どんたこす

18
オートファジーとは細胞の中で起きている大規模な分解作用のこと。ギリシャ語の自分(オート)と食べる(ファジー)を組み合わせた科学用語。新鮮さを保つ、栄養を獲得する、変化するため細胞を入れ替える。細胞自身の細胞質成分をリソソームで分解する作業。細胞が外部から十分な栄養を取れないときにオートファジーは起こる。やむを得ず自分自身を過剰に分解し、そこから栄養素を得る。1日、2日の飢餓であればオートファジーが活性化され適応しようとするが、さらに続くとどうなるか。普通の体重の人でも約2ヶ月は水だけで生きられるらしい。2021/07/27

マルレラ

15
2016年にノーベル生理学・医学賞を受賞した「オートファジー研究」。受賞者である大隈良典先生と共に研究してきた愛弟子・水島昇先生が「オートファジーの仕組み」ついて分かりやすく解説した本。 オートファジーは栄養飢餓に応答して誘導される細胞内の分解システムの一つで、真核生物特有の現象です。自分自身、オートファジーに少し関連する研究を行っているため、オートファジー研究の歴史を学ぶ意味で本書を読んでみました。オートファジー研究はここ数年で急速に発展してきた分野で、まだまだ未解明な部分が多いことを実感しました。2022/01/29

14
トリコで知ったオートファジー。大隅先生ノーベル賞受賞おめでとうございます。幼虫、さなぎ、成虫へと変わる昆虫の変態もオートファジーと知って、なるほどなあと驚いた。自分の身体の中のタンパク質を分解し、饑餓を生き延びる仕組みやタンパク質を分解する過程で、微生物やウィルスも分解することで、細胞をリサイクルし、きれいにする浄化作用も持つ。面白かった。後、オートファジーをちょっと知っただけで、コラーゲンの経口摂取が無駄だと分かるので、とてもいいんじゃないだろうか…。2016/10/30

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