内容説明
「刑事裁判からDNA型鑑定証拠を排除すべし」と主張した「DNA戦争」と題する論説が米国で発表されたのは1989年のことである。そして今、DNA型鑑定が犯罪捜査に果たす役割はきわめて大きいものとなっている。その一方で、「DNA型鑑定とは何か」「DNA型データベースとは何か」等々が、人々に正しく理解されているとはいい難い状況である。本書では、法科学の専門家が、世界各地で実際に起こった事件を取上げ、犯罪捜査・刑事裁判の過程を追いながら、「DNA型鑑定」の全容を一般の人にもわかるように解説している。
目次
第1章 DNA型鑑定の源流をたどる
第2章 はじめての証拠物件DNA型鑑定
第3章 米国におけるDNA型鑑定のはじまり
第4章 DNA戦争
第5章 新しい戦略―PCR法の応用
第6章 短鎖DNA型鑑定法の確立
第7章 真説「逃亡者」―ドクター・シェパード妻殺害事件
第8章 広がるRCR法の活躍
第9章 DNA型鑑定証拠は何も語らなかった―O.J.シンプソン事件
第10章 ミトコンドリアDNA型
第11章 証拠物件DNA型鑑定の現状と未来
著者等紹介
瀬田季茂[セタスエシゲ]
1936年東京に生まれる。1961年東京大学農学部獣医学科を卒業後、科学警察研究所に入り、ドイツ、ミュンヘン大学動物組織学・発生学研究所、同大学法医学研究所に2回にわたり留学。科学警察研究所副所長、法科学研究所長を務め、現在、聖マリアンナ医科大学客員教授。農学博士。専門は法科学、解剖学。Forensic Science Progress,Forensic Science International,Forensic Science Reviewなど法科学関連国際雑誌の編集委員会委員を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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